技研製作所、オランダ本社に新工場と事務所棟を建設、欧州市場で事業拡大

 ㈱技研製作所(本社:高知市)は7月8日、グループ企業であるGiken Europe B.V.(社長:アレク・コーツ/以下、技研ヨーロッパ、本社:オランダ・アルメーレ)が、欧州市場でのさらなる事業拡大に向け、その中核拠点であるオランダ王国フレヴォラント州アルメーレ市の本社・工場施設を整備し、機能強化を図ると発表した。投資額は900万ユーロ(約11億円)。(技研製作所グループ企業

 技研製作所グループでは「海外売上比率を全体の7割とする」長期ビジョンの早期実現に向け、各拠点の体制強化に取り組んでいる。このほど、1991年に技研製作所グループ初の海外現地法人として開設した技研ヨーロッパのオランダ本社に、これまで営業拠点のあった英国・ロンドン事務所の人員を集約するとともに、既存工場の約1.8倍の面積をもつ新工場と新事務所棟を建設し、オランダを基点とした欧州での事業拡大を加速させることにした。

 技研ヨーロッパはこれまでの活動に加え、昨年からオランダの建設会社「Gebr. De Koning B.V.(デ・コーニング社)」と「インプラント工法」の採用拡大に向けた協働契約を締結し、「ジャイロプレス工法®」によるアムステルダムの運河岸壁改修工事や「デルタプログラム※1」に基づく堤防補強工事等の大型案件に向けた提案活動を積極的に進めている。

 こうした活動を背景に需要増加を見込み、新工場は揚程10m、定格荷重最大30tのクレーンを2基配備し、圧入機の検査や搬出入を効率化するとともに、大型の回転切削圧入機「ジャイロパイラー」の整備も可能となる十分な広さと高さを確保した。また、従来の販売機・レンタル機のメンテナンス機能に加え、欧州への部品供給の効率化を図るため一元管理する拠点とする。さらに最新の実機を展示するスペースを設けるとともに、隣接する新事務所棟には営業プレゼン、メンテナンス・操作技術が研修できる施設を設け、欧州における圧入ビジネスの営業・教育・物流の中核拠点とする。

 世界的な気候変動による影響が拡大する中、直近では6月24日に米国ニューヨーク市で「第4回 国連 水と災害に関する特別会合」が開催され、防災への事前投資や予防防災強化の取組を促す「水防災投資原則」が公表されるなど、欧州をはじめ世界各国で防災・減災に向けた持続可能なインフラ整備に注目が高まっている。技研製作所グループでは、環境負荷を低減しつつ粘り強い構造物を急速に構築できる「インプラント工法」に今後も大きな需要を見込んでおり、さらなる普及拡大を図るべくグローバル展開を強化していく。

※1 デルタプログラム:オランダでの持続可能な洪水リスク管理等を目的とするプログラム。堤防補強工事など2032年までに年間平均約13億ユーロのインフラ投資が予定されている。

<オランダ・アルメーレ本社 増築工事概要>

施設名:Giken Europe B.V. Almere Office and Factory

所在地:Damsluisweg 13, 1332 EA Almere, The Netherlands

建築面積:新工場:2,811 ㎡、既存工場:1,522㎡、新事務所棟(2階建て)342 ㎡(延床面積:611 ㎡)

投資規模:約9 百万ユーロ(約11億円、予定)

建設スケジュール:着工 2019年7月、竣工2020年3月(予定)

 ニュースリリース