三菱日立パワーシステムズ(MHPS)、独フォルクスワーゲン向けにH-100形ガスタービンを2基受注

・本社自動車工場の自家発電用14.4万kW級GTCCコージェネ設備2系列を構成

・既設自家発電設備の更新により、顧客生産拠点のエネルギー低炭素化を促進

・2022年秋に給電開始予定

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は7月5日、ドイツのフォルクスワーゲン(VW:Volkswagen AG)向けに、H-100形ガスタービンを2基受注したと発表した。VWの自動車工場に電力および熱を供給する14万4,000kW級自家発電用ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)コージェネレーション(熱電併給)設備2系列の中核機器となるもので、MHPSの欧州法人を通じて設備一式をフルターンキー方式で納入する。設備の完成・給電開始は2022年秋を予定している。

 今回GTCCへの更新対象となるのは、ハイツクラフトワーク・ヴォルフスブルク-ウェスト(Heizkraftwerk Wolfsburg-West)と呼ばれる自家発電コージェネ設備。ヴォルフスブルク(Wolfsburg、ニーダーザクセン州)にあるVW本社工場(Volkswagen Kraftwerk GmbH)の一画に、石炭を燃料とする既存発電設備を更新するかたちで設置される。MHPSは欧州法人と協力し、GTCC設備を構成するH-100形ガスタービン2基を製作・供給するとともに、排熱回収ボイラーや蒸気タービン、発電機など一式についてEPC(設計・調達・建設)とりまとめを行っている。

 H-100形は、ヘビーデューティ型(注)の10万kW級2軸形ガスタービンで、柔軟かつ機動的な運用が可能。また、性能および信頼性に優れ、起動時間が短いなどの強みも顧客から支持される所以の一つで、これまで受注累計で23基(今回含む)の実績を有している。また、発電用だけでなくLNG(液化天然ガス)生産プラントなどの回転機械を駆動させる動力源としても有用であり、受注活動を行っている。

 MHPSは、高効率の大容量発電システムから中小型ガスタービンを活用した省エネシステムまで、火力発電向けフルレンジの製品群を擁しており、発電のトータルソリューションを提供できることが強み。今後も、市場の多種多様なニーズに的確に対応しながら、電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの低炭素化を促進することで、地球環境の保全に貢献していく。

(注)一定の出力を維持して長時間連続運転することを前提として設計されたガスタービンで、手入れしやすく低い保守頻度で済むことが特徴。

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