日立造船、阪神高速3号神戸線の上部耐震補強工事を受注

   日立造船は7月4日、阪神高速道路(大阪市北区)より、阪神高速3号神戸線の上部耐震補強工事(2019-1-大)を約52億5,000万円(税抜き)で受注したと発表した。

 同工事は、阪神高速3号神戸線大阪市西区立売堀4丁目から西淀川区佃6丁目付近までの約4kmの区間において耐震補強を行うもので、請負企業である日立造船が、ゴム被覆チェーンやPCケーブルによる橋桁の連結、支承補強装置(水平力分担構造)の設置、橋脚梁の拡幅などを行う。今回の受注は、日立造船の現場施工および安全管理に関する技術的所見や品質確保体制、耐震補強工事における日立造船の実績が高く評価された。

 阪神高速道路は、兵庫県南部地震で受けた被害を教訓に道路橋の耐震補強を進めており、近い将来に発生が予想される東南海・南海地震のようなプレート境界型大規模地震、兵庫県南部地震のような内陸直下型地震の2種類を想定し、落橋に対する安全性確保などに努めている。

 日立造船は、長大橋や道路橋などの設計・製作・施工(架設)を幅広く手がけており、特に創業の地である大阪においては、港大橋や天保山大橋、夢舞大橋など大阪を代表する長大橋架設の大部分に携わっている。また、耐震補強工事においても豊富な実績を有しており、近年では片品川橋(群馬県)の耐震補強工事において、橋梁・鋼構造工学の分野で最も権威ある賞・土木学会田中賞を2016年度作品部門(改築)において受賞している。

 国土交通省は、全国約73万橋のうちの50%が2028年には建設後50年を経過すると発表しており、橋梁のメンテナンスや長寿命化、耐震補強は日本全体の課題となっているが、日立造船は約120年におよぶ橋梁メーカーとして、持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備に積極的に貢献していく。

<受注案件の概要>

発注者:阪神高速道路株式会社(大阪市北区、幸 和範社長)

工事名:上部耐震補強工事(2019-1-大)

工事場所:大阪府道高速大阪西宮線(3号神戸線)

工期:2023年3月末

製作工場:日立造船向島工場(広島県尾道市)

受注金額:52億5,000万円(税抜き)

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