・住友商事と豊田通商の出資部分
日本貿易保険(NEXI)は6月14日、住友商事、豊田通商、㈱海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)が、ミャンマー連邦共和国(以下、ミャンマー)ティラワ地区港における港湾ターミナル運営事業への参画を目的に、港湾物流大手の㈱上組が筆頭株主を務めるTHILAWA MULTIPURPOSE INTERNATIONAL TERMINAL CO.,LTDへ出資参画を行う案件において、住友商事及び豊田通商の出資部分につき、海外投資保険(株式)の引受を決定したと発表した。
ミャンマーは、2011年の民政移管後、コンテナ取扱量が年率平均15%超のペースで増加しており、今後も更なる成長が期待される市場。一方で、ミャンマー全体の約9割の貨物量を取り扱うヤンゴン本港は、市街地と隣接する立地上の問題から拡張余地がなく、また、水深が浅いため、入出港時に船の航行に適した潮位を待つ必要もあり、今後は大型の船舶が着岸可能なティラワ地区港への海上貨物のシフトが見込まれる。
同プロジェクトの港湾設備一式は、日本の円借款によって整備されている。港湾の運営についてJOINも出資参画の上、日本企業がこれまで培った高度なオペレーションにより、ミャンマーの経済成長を支えるもの。
NEXIは既に2015年にミャンマー・ティラワ経済特別区(SEZ)の運営に関して、海外投資保険でのサポートをしており、SEZ運営事業に加えて、当該物流事業へのサポートを通して、ティラワSEZで活動する日本企業等を中心とした荷主の利便性向上に寄与する。当該取組は、日本企業が成長市場で、その知見を活かし、相手国の課題解決に資する取組でもあり、政府が進める「インフラシステム輸出戦略」にも合致し、日本の政策金融機関として支援意義が高い案件と言える。
NEXIは、今後とも日本の政策金融機関として、日本企業による海外事業展開を積極的に支援していく。