東急建設とTHK、建設現場用搬送ロボットの実証実験を開始

・段差や複雑な経路も走行可能な搬送ロボットを共同開発中

   東急建設THKは6月4日、建設現場の資機材搬送を自動化するロボットを共同開発中で、現在実証実験を行っていると発表した。2020年春の商用化を目指して、引き続き開発を進めていく。

■建設業が抱える課題

 近年、建設業では就業者の減少による人手不足が深刻化している。加えて、現地生産が基本となる建設業は作業の標準化が難しく、生産性向上が大きな課題となっている。建設現場においては、工事の進捗に合わせて作業環境が日々変化するだけでなく、狭くゆとりのない通路や段差などの環境が資機材搬送の生産性を阻害する要因となっている。

■共同開発の目的

 東急建設とTHKは、日々変化する作業環境に合わせて即座に経路変更が可能で、狭くゆとりのない通路や段差などがある建設環境においても、決められた位置に資機材を搬送できる建設現場用搬送ロボットの共同開発を進めている。この建設現場用搬送ロボットの導入により、作業効率が約30%向上(※)することを目指している。

 ※建設現場用搬送ロボットの導入により、現状7名で行っている資機材搬送作業を5名で実施可能となり、削減された人員を他の作業に配置することを条件として算出。

■生産性が向上する「建設現場用搬送ロボット」

 開発中の建設現場用搬送ロボットは、段差や粉じんのある環境で行われる資機材の搬送作業を自動化するための搬送ロボット。日々刻々と変化する建設現場に対応するために、プログラミングの知識がない現場作業者でも、搬送経路の設定が素早く簡単にできるTHK独自の自律移動制御システム「SIGNAS」を搭載している。

■実証実験の内容

 都内の大規模マンション工事現場において、建設現場用搬送ロボットが台車に載せた1トンの資機材を牽引しながら鉄板の段差を乗り越え、物の配置などの周辺環境が変化しても安定した走行ができることを確認する実験を行った。

 今後、東急建設とTHKは、建設現場用搬送ロボットの改善を進め、建設現場の生産性向上へ貢献していく。

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