・Lumadaの活用により、点検・保守作業の効率化や運転員の保守能力向上に貢献
㈱日立製作所は6月4日、東亜石油(本社:神奈川県川崎市川崎区)から、ガスタービン保守の信頼性向上を目的として、クラウド上で設備の情報を一元管理することにより、点検・保守作業の効率化や運転員の保守能力向上などを実現するガスタービン向け高温部品管理プラットフォームを受注したと発表した。受注したプラットフォームは、東亜石油がこれまで培ってきたガスタービンの運用・保守(O&M)に関するノウハウをベースに、日立がエネルギー事業で培ってきた経験や技術と、Lumada IoTプラットフォームのリソースを用いて、点検・保守作業の効率向上、O&Mノウハウの蓄積による運転員の保守能力向上を図るもので、2020年1月の運用開始を予定している。
ガスタービンの高温部品は、発電を行う設備の最重要ランクに位置付けられる構成品であり、約1,500℃にも達する温度にさらされることから、数千個に及ぶ部品それぞれに使用時間が規定されている。そのため、ガスタービンの運用・保守では、高温部品の使用時間や点検記録を適切に管理し、ルールに則った交換やローテーションを確実に実施することが要求される。
今回日立は、これまで培ってきたガスタービンの設計、製造、保守・サービスのノウハウを活用して、ガスタービンの高温部品に関する各種データや画像をクラウド上のデータベースで一元管理するプラットフォームを構築し、東亜石油水江発電所2号に提供する。これにより、東亜石油と部品供給を担う日立双方が設備情報の閲覧・更新が可能となるため、ガスタービンの運用・保守に求められる、高温部品の使用時間や点検記録の適切な管理と、ルールに則った交換やローテーションを確実に実施することが可能となる。
今後日立は、発電所の安定稼動に貢献する「設備の予兆診断サービス」や、発電設備性能の維持・向上を支援する「性能評価サービス」、人工知能(AI)を活用した「売電支援サービス」などのソリューションを提案し、更なるO&Mを支援、経営の効率化に貢献していく。また、顧客との協創による社会イノベーション事業を通じて、持続的な社会の実現とSDGsの達成に貢献していく。