三菱日立パワーシステムズ(MHPS)、エジプトの火力発電所の更新工事を受注

・存天然ガス焚きGTCC設備を高出力・高効率化へ

・いずれもM701F形ガスタービン2基が中核、2021年度前半に運転開始へ

・国際協力機構(JICA)の円借款(政府開発援助)により、電力需給の逼迫緩和に貢献

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は5月29日、エジプトのシディ・クリル(Sidi Krir)火力発電所ならびにエル・アトフ(El Atf)火力発電所の設備更新工事を受注したと発表した。両発電所ともにMHPSが納入したM701F形ガスタービン2基を中核とする定格出力75万kWの天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備であり、今回の工事により出力向上および発電効率の改善、発電所の停止時間低減等をはかり、エジプト国内における電力の安定供給に寄与する。両更新設備の運転開始は2021年度前半の予定。

 シディ・クリル火力発電所は地中海に面した港湾都市アレキサンドリアから西方約50kmに位置しており、西デルタ発電公社(WDEPC:West Delta Electricity Production Company)が2009年から運営している。一方、エル・アトフ火力発電所はアレキサンドリアから東に約80kmのナイル川三角州上にあり、中デルタ発電公社(MDEPC:Middle Delta Electricity Production Company)が2009年から運営している。

 両発電所ともに、MHPSが既存設備のアフターサービスも手掛けており、運転開始からの長期にわたるアフターサービスを通して培った信頼性を顧客に高く評価されたことで、今回の受注につながった。更新工事の資金は、2017年8月に受注したカイロ・ノース(Cairo North)火力発電所のGTCC発電設備更新工事と同様に、独立行政法人 国際協力機構(JICA)の円借款(政府開発援助)により資金供与される。

 両更新工事はMHPSのエジプト拠点法人を通じて受注したもので、発電設備の効率を高めるため、M701F形ガスタービンのアップグレード部品、ならびに発電機の部品等を供給。併せて、技術者を派遣し据え付け・試運転を支援する。なお、ガスタービン発電機の部品は三菱電機が供給する。

 エジプトでは、経済成長を大幅に上回る電力需要の伸びが続いている。今後、安定的に電力供給するためには、再生可能エネルギー由来の電力増強に向けた民間投資と並行して、公益電力事業を通じたさらなる発電設備容量の増強、発電・送配電設備の高効率化・信頼性向上が不可欠となっている。今回のプロジェクトは、こうした状況の緩和に貢献するもの。

 MHPSは、新設火力発電システムの普及だけでなく、今回のような既存発電設備の改修・性能向上にも力を注いでいる。今後も世界各地で電力供給の安定化や発電の効率化を支援することにより、グローバル規模での経済発展および持続可能性の高いエネルギー創出に貢献していく。

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