Brexit:イギリスは世界的なオートメーション競争で後退-ロボットの設置台数は3%減

・欧州連合の産業用ロボットの販売台数は12%増

 IFR (The International Federation of Robotics:国際ロボット連盟):2019年5月16日

 2019年5月16日、フランクフルト・・・イギリスの産業用ロボットの設置台数は、2018年に3%減少して2,306台となりました。

 前年度の英国におけるロボットの販売は31%増加しました。欧州連合(EU)の最近の販売台数は依然としてプラスで、12%の増加です。これは、World Robotics Report 2019の暫定結果によるものです。

 地域別のロボット密度の点では、製造業には10,000人の従業員あたり106台の産業用ロボットが設置されており、ヨーロッパは世界最高レベルを誇っています。・・・・・・ドイツ(3位)、スウェーデン(5位)、デンマーク(6位)、ベルギー(9位)、イタリア(10位)がすべてトップ10になりました。

 英国は85台の密度で世界第22位にランクされています。これは世界平均と同等です。中国は2017年にイギリスを抜いて現在97台で21位にランクされています。

 BARA(英国自動化・ロボット協会)会長のMike Wilson(マイク・ウイルソン)は次のように述べています。

 「イギリスは、自動車以外のすべての製造分野において、当会の主要競合他社よりも低い割合でロボット自動化を追加しています。長年にわたり、英国は他の国からの労働者を引き付けてきました。企業は資本設備に投資するよりも人を雇うことを好む傾向があります。 東ヨーロッパからやって来た多くの労働者が帰国し始めているので、Brexit投票とその後の政治的発展の結果は労働力の利用可能性の低下をもたらしています。その結果、企業は従業員を効果的に使用し、スタッフが不足しているタスクを実行する代替方法を見つける必要があります。ロボット自動化は明らかなソリューションです。」

■IFR CEOラウンドテーブルの専門家が言うこと

 「ロボットの採用は生産性の向上を推進するための中心的な要素であり、どの国もより速い生産性の向上を求めているはずです」と、米国の情報技術イノベーション財団(ITIF)のRobert Atkinson(ロバートアトキンソン)博士がシカゴで開催された最近のIFR CEOラウンドテーブル2019で、国際的な専門家がグローバルなロボット工学とAIレースについて議論したと述べています。

■人工知能

 国際ロボティクス連盟の津田純嗣会長は次のように述べています。

 「ロボットは製造業で大きな役割を果たしています。たくさんのプロジェクトがあります。 誰もがロボットの能力を高めることに取り組んでいます。私たちはさまざまな分野でロボットを適用することができます ・・・だから誰もが勝者になるでしょう。AIに関しては、開発者コミュニティは非常にオープンであり、彼らは基本的な論理をグローバルに共有しています。実装のための競争があります。この実装は、違いを生み出すロボット工学と非常に密接な関係があります。ロボット工学のAIに関して言えば、それでも日本とヨーロッパがロボットアプリケーションの主要なプレーヤーになるでしょう。」

■実装に焦点を当てる

 米国のAdvanced Robotics for ManufacturingのCEOであるByron Clayton(バイロン・クレイトン)博士は、次のように述べています。

 「米国政府は、ハイテクの実施と展開の側面に向けて資金と努力を政策に投入し、それを工場の現場に届ける国際的な例に従う必要があります。」

 ニュースリリース

■IFRについて

 IFR(The International Federation of Robotics:国際ロボット連盟)は、世界中のロボット工学の世界を結びつけています。私たちのメンバーは、ロボット業界、国内外の業界団体、および研究開発機関から来ています。私たちの連盟は20カ国以上から50以上のメンバーを代表しています。IFR統計部門は、ロボットに関するデータの主要なグローバルリソースです。 IFRは1987年に非営利団体として設立されました。

 *リリース内容から「ですます調」で表記しています。