中越パルプ工業、高機能セルロースナノファイバーパイロットプラント建設

 中越パルプ工業は5月15日、約24億円を投じて高岳工場富山県高岡市)内に高機能セルロースナノファイバーパイロットプラントなどを建設すると発表した。

 2017 年6 月に川内工場においてCNF 第一期商業プラントを稼働させ開発営業展開を丸紅と共同で進めてきた。またCNF の更なる展開として、これまで高機能CNF 品開発の取組も進めてきたが、高機能性の確立を達成したため、量産化へ向けたパイロットプラントの建設を決定した。

■以下の3 プラントを建設。

1.サンプル販売を進めてきた疎水化CNF「nanoforest-M」品の量産化設備に向けたパイ

ロットプラントの設置(2021 年稼働予定)

2.高解繊CNF の量産化設備の設置

(疎水化用CNF の製造並びに高機能材料や高付加価値品への用途展開を目指した高解繊CNF 製造販売。2021年4月稼働予定)

3.CNF100%成形体品の量産化設備設置に向けたパイロットプラントの設置

(2022 年稼働予定)

 CNF 表面を化学修飾することにより疎水化し、オイルや有機溶剤といった疎水性溶剤等との分散性を始めとする機能性を飛躍的に向上させることが可能となり、これまでのサンプル展開において疎水化CNF ニーズも多く、量産化に向けた検証を進める。

 また、高解繊CNF は低解繊CNF よりコスト高となるため、消費地に近い高岡工場に建設することで低濃度スラリー品提供における運送コストの低減及び販売力強化を図る。

 脱水濃縮しブロック状に成形したCNF100%成形体は、軽量高強度の特性を持ちながらも切削加工が容易であり、医療用材料や工業製品、楽器類・音響機材などへ新素材として利用展開を目指す。

 今後、高機能CNF(疎水化CNF、高解繊CNF、CNF100%成形体)を新たに製品ラインナップに加えることにより「nanoforest®」商品群の幅を広げ、営業展開の強化を図っていく。

<設備概要>

生産能力:年間約60トン(2025 年度目標CNF 生産量)

稼働予定:2021 年4 月

設置場所:中越パルプ工業高岡工場内(富山県高岡市)

投資総額:約24億円

延床面積:約1,650 ㎡

 ニュースリリース