国際協力銀行(JBIC)、日本触媒がインドネシアで実施するアクリル酸事業に融資

 国際協力銀行(JBIC)は5月13日、4月26日、「質高インフラ環境成長ファシリティ」(QI-ESG)の一環として、㈱日本触媒のインドネシア法人PT. NIPPON SHOKUBAI INDONESIA (以下、NSI)との間で、融資金額96百万米ドル限度(JBIC分、約106億円)の貸付契約を締結したと発表した。融資は、民間金融機関との協調融資によるもので、協調融資総額は200百万米ドル(約220億円)となる。

 今回の案件は、NSIがインドネシア・ジャワ島西部にあるバンテン州チレゴンで行うアクリル酸等の製造・販売事業に必要な資金を融資するもので、生産能力の増強及び既存設備の効率化に充てられるもの。アクリル酸は、主に紙おむつや生理用品等に用いられる高吸水性樹脂(以下、SAP)や、粘接着剤や塗料等に用いられるアクリル酸エステル(以下、AES)の原料として利用されている。

 近年の堅調な経済成長を背景に、アジア地域を中心にアクリル酸、AES及びSAPの需要は堅調に伸びていく見込みであり、中でもアクリル酸の需給はタイト化が進んでいる。日本触媒は1996年にNSIを設立して以来、同社におけるアクリル酸、AES及びSAPの生産体制を順次整備・拡充してきたが、足許の需給状況・見通し等も踏まえ、このほど、アクリル酸の生産能力の増強等を決定したもの。

 また、今回の投資では、アクリル酸の製造過程で発生する排熱を利用するとともに、既存設備の改修等を通じ、工場内でのエネルギー使用の効率化を行う。融資は、こうした日本触媒の海外事業展開を支援するものであり、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するとともに、排熱の有効活用や設備改修によるエネルギー使用の効率化を通じ、地球環境保全に貢献するもの。

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