北越工業、2019年3月期売上は17%増の410億円

 北越工業が5月10日に発表した2019年3月期(2018年度)連結業績によると、売上高は前期比17.0%増の410億2,200万円、営業利益は同18.6%増の54億1,000万円、経常利益は同20.1%増の56億4,300万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同16.3%増の37億5,900万円となった。

 2018年度における国内経済は、緩やかな回復基調で推移したが、輸出の減速や人手不足、原材料高騰などのマイナス要因による弱含みもみられた。世界経済は、米国は引き続き堅調さを維持したが、米国の通商政策などの動向により世界各国の経済に与える影響が懸念された。このような情勢のなかで北越工業は、国内外の建設機械需要の高まりに対して、増産対応と生産効率の向上など生産体制の整備を進め、販売面では、さらなる販路の拡大や新製品投入による市場開拓に注力した。

 北越工業2019年3月期データ

■事業別状況

<建設機械事業>

 建設機械事業セグメントは、主にエンジンコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などの事業で構成。売上高は前期比21.9%増の334億4,100万円、セグメント利益は同18.4%増の53億7,300万円となった。

 国内は首都圏を中心とした再開発やインバウンド景気などを背景に建設機械の出荷が堅調に推移した。海外では自社ブランド販売・OEM供給を展開する北米において、最新の排気ガス規制に対応した製品をリリースするなど、販売は好調に推移した。利益面については、原材料価格などの上昇があったが、増収効果と工場の操業度向上により前期比で増益となった。

<産業機械事業>

 産業機械事業セグメントは、主にモータコンプレッサ、部品、サービスなどの事業で構成。売上高は前期比0.7%減の75億8,100万円、セグメント利益は同4.3%増の11億8,700万円となった。

 販売については製品構成比の変化によって微減となったが、利益面では補給部品の供給や修理などのメンテナンス事業が好調に推移し、前期比で増益となった。

■2020年3月期(2019年度)の見通し

 今後の見通しについては、国内市場は首都圏再開発、インフラ整備、災害復興などを背景に需要は安定して推移するものと思われるが、海外では米中貿易摩擦や英国のEU離脱などのリスクが懸念される。足元では、引き続き原材料高騰や人手不足によるマイナス要素が潜在するほか、世界経済の不確実性に沿った為替リスクの高まりも想定される。このような情勢のなか、グループの連携を図り、さらなる販売網の強化、生産性の向上、メンテナンス事業の拡充を推進していく。

 2020年3月期(2019年度)の連結業績は、売上高410億円(前期比0.1%減)、営業利益55億4,000万円(同2.4%増)、経常利益53億7,000万円(同4.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益35億8,200万円(同4.7%減)を予想している。

 なお、業績予想の為替レートは、1米ドル=108円、1ユーロ=125円を前提としている。

 北越工業の2019年3月期決算短信