㈱ソディックが5月10日に発表した2019年12月期第1四半期(1~3月)連結業績によると、売上高188億28百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益20億93百万円(同6.0%減)、経常利益21億68百万円(同11.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益14億60百万円(同10.2%増)となった。
第1四半期の国内経済は、足元では輸出や生産にやや弱さが見られるものの、雇用・所得環境や企業収益の改善等により、景気は緩やかな回復基調が継続した。海外経済においては、米国経済は雇用環境の改善や堅調な個人消費もあり堅調に推移した一方で、欧州では輸出及び個人消費の減少により、景気の減速が継続しており、中国も米国との貿易摩擦の影響により輸出が鈍化するなど景気減速が継続した。アジア経済については地域ごとに濃淡はあるが概ね横ばいに推移した。しかし、米中の通商政策の影響、欧州の政治情勢、金融市場の変動などの懸念材料もあり、先行きは依然として不透明な状況にある。
このような事業環境の中、ソディックグループでは、世界各地の展示会に出展しソディックブランドの強化に取り組んだ。成長市場であるインドにおいては、1月に同国最大の工作機械展であるIMTEX 2019に出展し、販売拡大に向けソディック製品群をアピールしたほか、3月に台湾で開催された台北国際工作機械見本市(TIMTOS 2019)では、金属3Dプリンタの多様化するニーズに対応すべく高速造形を可能にした金属3Dプリンタ「LPM325」を展示するなど台湾でのシェア拡大に向け積極的な営業活動を展開した。
営業体制の強化も進めており、シンガポールに金属3Dプリンタを活用した最先端ものづくりをサポートするテクノ・センターを設立した。最先端技術による金型製作の受託加工、コンサルティング・販売サポート・保守サービスなど顧客のバックアップ体制を整え、シンガポール国内及びアジア地域における金属3Dプリンタの普及拡大を目指す。さらに、英国の営業拠点でもテクニカルセンターの機能を含めた新社屋の建設など、各地域での販売力の強化に努めている。
■セグメント業績
<工作機械事業>
ソディックの最大市場である中国では、米中貿易摩擦による投資判断の先送りなどにより、昨年秋口以降受注が減速していた影響で、販売は伸び悩んだが、足元では5G対応に向けた設備投資含め、需要は総じて回復傾向にある。北米の自動車関連では一部慎重さが見られたが、航空宇宙及び医療関係が堅調だったほか、国内でも自動車関連での大口案件を含め、底堅く推移した。また、その他アジア地域も、タイ、インド、ベトナム、マレーシアなどは自動車関連を中心に堅調に推移した。一方で、欧州の自動車関連ではやや力強さを欠く結果となった。
上記の結果、同事業の売上高は133億62百万円(前年同期比0.0%減)、セグメント利益は、工場の稼働率低下等により、21億91百万円(同7.2%減)となった。
<産業機械事業>
コネクタやセンサー部品など自動車関連の需要は、国内を中心に引き続き堅調に推移した。北米についても、医療機器関連を中心に堅調な需要が継続した。スマートフォン関連は中国やアジア地域で依然として一服感が見られたが、政府の景気対策効果や5G対応に向けたインフラ整備に関する需要が出始めている。
上記の結果、同事業の売上高は23億20百万円(前年同期比4.3%減)、セグメント利益は、研究開発費の増加等により、80百万円(同46.0%減)となった。
<食品機械事業>
食品機械事業は、各種製麺機、麺製造プラント、包装米飯製造装置などの開発・製造・販売、その保守サービスを行っている。高品質な調理麺の製造設備需要が引き続き堅調に推移したほか、包装米飯製造装置の需要も国内外で増加している。国内において、付加価値の高い製麺設備の販売が見られた結果、同事業の売上高は17億76百万円(前年同期比76.7%増)、セグメント利益は3億36百万円(同388.0%増)と高い収益性を確保した。
<その他>
その他は、精密コネクタなどの受注生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材など独自の技術を活かした製品及びLED照明機器の開発・製造・販売を行う要素技術事業、放電加工機、マシニングセンタ及び射出成形機などのリース事業から構成されている。
精密金型・精密成形事業は、自動車関連で一服感が見られたほか、セラミックスの販売も半導体製造装置向けが減速した結果、同事業の売上高は13億69百万円(前年同期比13.8%減)、セグメント損失は7百万円(同セグメント利益3億8百万円)となり、中長期的な成長に向けた研究開発及び設備への先行投資により収益性は悪化した。
なお、2019年2月14日に公表した業績予想を据え置いている。
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