昭和電工、約50億円投じカーボン事業部欧州生産拠点で設備改善工事

 昭和電工は5月9日、カーボン事業部の欧州生産拠点において、設備改善工事を実施することを決定したと発表した。設備改善工事にかかる投資額は約50億円。

 昭和電工の黒鉛電極事業は、日本、欧州、米国、アジアに合計7つの生産拠点を持ち、高品質UHP市場においてグローバルトップのシェアを有する事業。今年スタートした中期経営計画 “The TOP 2021”において、「高める」事業ポートフォリオに位置付けられ、BIS40(注)(統合の相乗効果)と各生産拠点において安定供給と供給コストの最適化を本年の施策としている。BIS40実現のために重要な「同一品質でのグローバル供給体制の確立」のための品質向上と安定生産を目的とし、今回、昭和電工の連結子会社であるSHOWA DENKO CARBON Holding GmbH(本社:ドイツ・マイティンゲン)のドイツ、スペイン、オーストリアの3拠点において、設備改善工事を実施することを決定した。

 なお、今回の改善投資工事および品質向上活動は2019年から2020年までの予定で実施され、供給において昭和電工黒鉛電極事業全体の生産能力に対して5%程度の影響が予想される。

 昭和電工 黒鉛電極事業は、引き続き顧客にとっての“Value in Use No.1”を達成し、競争力と収益性の高い事業を実現するための施策を実行していく。

(注)BIS40:昭和電工および昭和電工の米国拠点であるShowa Denko Carbon, Inc.と、2017年に買収した旧SGL GE Holding GmbHの統合によるシナジーを最大に追求する中期施策。グローバル供給・商流の最適化、原料調達交渉力の向上、生産性が高くコスト競争力に優れた旧SGLと高品質を誇る昭和電工・大町事業所ならびにShowa Denko Carbonの両者の優れている点を相互に取り入れ顧客にとってのValue in Use No.1を達成させることで、2020年時点で40億円の経済的効果を目標としている。

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