三菱ロジスネクストが5月9日に発表した2019年3月期(2018年度)連結業績によると、売上高は、4,483億8千1百万円(前年度比3.5%増)となった。利益面については、のれん償却等の軽減及び国内事業セグメントにおける増益により、営業利益は131億5千6百万円(同41.8%増)、経常利益は137億1千4百万円(同62.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は70億7千7百万円(同140.6%増)となった。
なお、のれん償却等の影響を除くと、営業利益は219億8千1百万円(同14.9%増)、営業利益率は4.9%(同0.5ポイント増)となった。
フォークリフト販売台数は、前年度の11万7,000台から0.9%減の11万6,000台だった。
2018年度における世界経済は、長期化する米中貿易摩擦の影響下、中国での経済成長減速のみならず、米国・欧州でも成長の鈍化がみられるなど、全体に停滞基調が顕著となった。米中貿易摩擦の膠着化や落としどころの見えない欧州Brexit状況等を鑑み、世界経済が今後の動向を見極めるべく、様子見局面に移行しつつあるものと思われる。
日本経済は比較的堅調な動きを見せているが、資材費高止まりの継続や消費税増税等を睨んだやや不透明な個人消費の動きなど、予断を許さない状況となっている。物流機器需要も、伸長鈍化の気配を見せており、加えて他社との競争環境も依然厳しく、平成から令和へと時代が動く中においても楽観はできない状況である。
このような状況の中、三菱ロジスネクストは世界トップクラスの総合物流機器メーカーを目指し、統合シナジーの早期実現に取り組み、マルチブランド戦略の下、一部製品の統合実現や各種システムの統一など、確実にその成果を上げている。これを一層加速し、中期経営計画「Perfect Integration 2020」を推進していく。
■セグメント別の業績
<国内事業>
国内事業は、堅調な需要を背景に、フォークリフト販売台数の伸長に加え、物流システムやサービス部門の売上増加により、売上高は1,835億5千万円(前年度比3.6%増)となった。セグメント利益についても、販価改善活動や一部製品の機種統合効果があり、のれん償却等(47億5百万円)の負担軽減も含め、45億8千4百万円(同75.0%増)となった。
なお、のれん償却等の影響を除くと、セグメント利益は92億8千9百万円(同22.6%増)となった。
<海外事業>
海外事業は、米州、欧州、アジア、中国の全域で売上を伸ばしたことにより、売上高は2,648億3千1百万円(前年度比3.5%増)となった。セグメント利益についても、前期に発生した中国事業での一時費用の解消やのれん償却等(41億1千9百万円)の負担軽減により、85億7千2百万円(同28.7%増)となった。
なお、のれん償却等の影響を除くと、セグメント利益は126億9千1百万円(同9.8%増)となった。
■2019年度(2020年3月期)の見通し
今後の世界経済は、全世界的に成長鈍化が顕著となっている。海外の政治・経済動向及び地政学的リスクは不安定なままで推移しており、実体経済の先行きについても不透明となりつつある。国内経済においても、各種経済指標は落ち着いた状態ではあるものの、各企業の投資意欲には陰りも見え始めている。また、鋼材をはじめとする原材料価格の上昇は依然高止まりを続けており、事業への影響は依然継続している。
このような状況下ではあるが、三菱ロジスネクストとしては必要となる投資は行いながら、統合シナジー実現に向けた取り組みを継続する。さらなる拡販による売上高及びシェアの向上、並びにより効率的な事業運営推進による収益性の改善を進めることにより、2019年度(2020年3月期)の連結業績見通しは、売上高4,600億円(前年度比 2.6%増)、営業利益150億円(同14.0%増)、経常利益150億円(同9.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益90億円(同27.2%増)を見込んでいる。
なお、のれん等償却前営業利益は240億円(同8.4%増)、のれん等償却前営業利益率は5.2%(同0.3ポイント増)を見込んでいる。
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