住友重機械、2019年3月期売上は14.2%増の9,031億円-過去最高を更新

 住友重機械工業が5月8日に発表した2019年3月期(2018年度)連結業績によると、受注高は前期比10.2%増の9,522億円、売上高は同14.2%増の9,031億円となり、いずれも過去最高を更新した。営業利益は同7.6%増の752億円、経常利益は同7.6%増の726億円、親会社株主に帰属する2018年度純利益は過去最高となり、同31.7%増の457億円となった。

 2018年度の経営環境は、国内は企業業績の改善に伴い設備投資が堅調に推移し、海外は、米国は内外需要の回復により製造業の生産回復が持続し、また、中国では下期に景気持ち直しの動きに足踏みが見られたものの、工業生産は概ね好調に推移したことなどから、世界的に機械需要が増加基調にあった。一方、米中貿易摩擦の深刻化や地政学上のリスクの継続、一部新興国での為替、金融不安の顕在化など依然として不透明感が残る状態であった。住友重機械工業グループは「中期経営計画2019」を推進し、M&Aや設備投資などの成長投資の積極的実施、CSRの積極推進等の重点施策を推進した。

 住友重機械工業2019年3月期データ

■部門別事業の状況

<機械コンポーネント部門>

 中小型の減・変速機が好調であったことや、Lafertグループ(Lafert S.p.A.等)を連結子会社化したことから受注、売上ともに増加した。この結果、受注高は前期比16%増の1,340億円、売上高は前期比22%増の1,334億円、営業利益は前期比7%減の111億円となった。

<精密機械部門>

 プラスチック加工機械事業は、中国での電気電子関連の高い需要が持続したことや欧州での需要が堅調に推移したことから受注、売上ともに増加した。その他精密機械事業は、半導体関連の一部機種が落ち込んだことから受注は減少したものの前期からの受注残があったことから売上は増加した。この結果、受注高は前期比1%増の1,915億円、売上高は前期比10%増の1,857億円、営業利益は前期比9%減の177億円となった。

<建設機械部門>

 油圧ショベル事業は、中国や北米等の海外向けで需要が伸長したことから受注、売上ともに増加した。

 建設用クレーン事業は、北米市場が回復基調にあることや国内需要も堅調に推移したことなどから受注、売上ともに増加した。この結果、受注高は前期比15%増の3,053億円、売上高は前期比12%増の2,905億円、営業利益は前期比26%増の220億円となった。

<産業機械部門>

 運搬機械事業は、電力、鉄鋼向け需要が堅調だったことから受注、売上ともに増加した。その他産業機械事業は、産業用タービンの減少により受注は減少したものの鍛造プレス等が増加したことから売上は増加した。この結果、受注高は前期比3%増の908億円、売上高は前期比12%増の937億円、営業利益は前期比2%増の90億円となった。

<船舶部門>

 船舶市況は引き続き低迷しており、2018年度は前期より1隻少ない3隻の新造船を受注した。また売上は、前期より1隻少ない4隻の引渡しとなったが、船舶修理案件が増えたため増加した。この結果、受注高は前期比8%減の320億円、売上高は前期比8%増の414億円、営業利益は前期比12%増の8億円となった。

<環境・プラント部門>

 エネルギープラント事業は、国内バイオマス発電設備の増加や前期に子会社としたSumitomo SHI FW EnergieB.V.の寄与もあり受注、売上ともに増加した。水処理プラント事業は、大規模排水処理設備案件や長期包括運営管理事業案件を受注したことなどから受注、売上ともに増加した。この結果、受注高は前期比18%増の1,913億円、売上高は前期比24%増の1,510億円、営業利益は前期比32%増の126億円となった。

<その他部門>

 受注高は前期比6%減の73億円、売上高は前期比6%減の73億円、営業利益は前期比5%増の22億円となった。

■今後の見通し

 現時点での2020年3月期(2019年度)の連結業績は、売上高9,050億円(2018年度比0.2%増)、営業利益720億円(同4.3%減)、経常利益690億円(同5.0%減)、親会社株主に帰属する2018年度純利益460億円(同)0.8%増の見通し。

 為替レートは1ドル=110円、1ユーロ=125円を前提としている。

 住友重機械工業の2019年3月期決算短信

 2019年3月期決算補足情報