オークマは5月7日、中国における工作機械の生産子会社「大隈(常州)机床有限公司」の設立に向け、「武進国家高新技術産業開発区管理委員会」(中国江蘇省常州市)との間で、4月12日付で投資協定に合意したと発表した。
「大隈(常州)机床有限公司」は、オークマが100%出資する現地生産子会社であり、常州市武進国家高新技術産業開発区に設立する。
常州市武進国家高新技術産業開発区は上海から西へ約160km、高速鉄道で約1時間の位置にあり、日系企業ではロボット、自動車、自動車部品、機械設備等の製造業を中心に同開発区に進出している。
「大隈(常州)机床有限公司」は、プレミアム・エコ「GENOSシリーズ」の横形CNC旋盤と立形マシニングセンタを生産し、中国市場で拡大する需要に対応していく。
オークマはこれまで、台湾の生産子会社「大同大隈股份有限公司(以下TOC)」で生産したGENOSシリーズの横形CNC旋盤、立形マシニングセンタを上海の販売子会社「大隈机械(上海)有限公司(以下OMC)」を通じて、中国全土に販売してきた。
中国市場においてGENOSシリーズに対する需要が広がる中、一層の拡販に向け、短納期対応、価格競争力の向上、エンジニアリング力強化を図るため、オークマ(OCJ)が100%出資し、現地生産子会社「大隈(常州)机床有限公司(OCC)」を設立して、中国でGENOSシリーズの横形CNC旋盤、立形マシニングセンタを生産することにした。現在、会社設立手続きを進めており、2019年10月の操業開始を予定している。
<設立する子会社の概要>
名称:大隈(常州)机床有限公司(英語表記:Okuma (Changzhou) Machine Tool Co., Ltd.)
資本金:8.8億円(予定)オークマ全額出資
会社設立:2019年6月予定
操業開始:2019年10月予定
<工場建屋の概要>
常州市武進国家高新技術産業開発区の既存建屋の一部を賃借し、内部を改修の上、工場として利用する。
組立エリア:3,676㎡
展示場:379㎡
オフィス:676㎡
生産機種:
‒ CNC旋盤:GENOS L 250Ⅱ-e、GENOS L 400Ⅱ-e、GENOS L2000-e、GENOS L3000Ⅱ-e計4機種
‒ マシニングセンタ:GENOS M460-VE-e、GENOS M560-V-e計2機種
<生産の概要>
OCCでは、GENOSシリーズのセミノックダウン生産に向けて、段階的に組立作業を増やしていく計画。
・初期段階では、TOCから完成機に近い状態の機械を輸入し、OCJからはNC装置の供給を受け、OCCでの組み立て作業は、周辺機器の取り付け等、限定的な内容とする予定。
・その後、現地調達比率を段階的に引き上げ、2021年には金額割合で約70%の部品、ユニット等を現地調達するセミノックダウン生産を行う計画。
・セミノックダウン生産を行う段階においては、TOCは、主軸ユニット、ATC(工具交換装置)等の基幹ユニットを供給する。
OCJは、NCソフト、NCユニット、ドライブユニット、サーボモータ等、ソフトウエア及びハードウエアを供給する。現地で周辺機器、カバー、鋳物加工品等を調達する計画。
・生産台数は、2019年は月産10台規模とし、段階的に生産の拡大を図り、2020年には月産40台まで引き上げ、2022年には月産75台とする計画。
・販売:OCCが生産した工作機械の販売先は中国市場に限定し、OMCが販売及びサービスを担う。
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