㈱牧野フライス製作所が4月26日に発表した2019年3月期(2018年4月~19年3月:2018年度)連結業績によると、売上高は2,047億9百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益206億71百万円(同37.6%増)、経常利益219億56百万円(同39.4%増)、純利益169億81百万円(同45.2%増)となった。
連結受注は2,019億63百万円(同2.0%増)で前年度並みとなった。上期は全地域で受注が好調に推移しが、下期は米中貿易問題の影響により、中国とアメリカを中心に受注が減少に転じた。
■セグメント別の受注状況(現地通貨ベース)
<セグメントⅠ> (牧野フライス製作所「個別」および国内連結子会社)
牧野フライス製作所の国内受注は前年度を上回った。半導体製造装置やロボットを中心とした一般機械や、自動車の部品加工向けが好調に推移した。
<セグメントⅡ> ( MAKINO ASIA PTE LTD )
アジアは前年度を上回った。中国向けは下回った。前年度に比べ、スマートフォンの金型向け、半導体製造装置を含む一般機械の部品加工向けが減少した。自動車の部品加工向けでは、高品質化や自動化のための設備投資が継続。自動車の内装などの大物金型や、電気電子部品の金型向けが増加した。インドは自動車の部品加工向けが増加したことで、前年度を上回った。アセアンでは、自動車、航空機、一般機械等様々な産業で受注があり、前年度を上回った。
<セグメントⅢ> ( MAKINO INC.)
前年度をわずかに下回った。航空機向けが受注の集中した前年度に対し減少した。自動車の部品加工向けは前年度並み。下期以降、引き合い状況が悪化し、第4四半期には顧客の設備投資の先送りが出てきた。
<セグメントⅣ> ( MAKINO Europe GmbH )
ヨーロッパは航空機向けが増加したことにより、前年度を上回った。一般機械の部品加工向けは減少した。景気の先行き不安から、顧客が設備投資に慎重になっている。
■2020年3月期の見通し
2019年度の受注は2018年度に比べ減少する見通し。中国、およびアメリカを中心に受注が減少することと、為替レートが円高となる想定であり、円換算した受注額が減少するため。上期は前年度下期の状況が継続し、下期には回復に向かうとみている。
<セグメントⅠ> (牧野フライス製作所「個別」および国内連結子会社)
牧野フライス製作所の国内受注は、2018年度並みとなる見通し。2018年度に比べ、大きな引き合いが少ない中、自動車の部品加工向け受注は継続するとみている。航空機向けは、期初より受注が出始めている。下期以降に半導体製造装置の部品加工向けの受注が増加するとみている。
<セグメントⅡ> ( MAKINO ASIA PTE LTD)
アジアは中国の減少により、2018年度を下回る見通し。中国は、下期からスマートフォンの金型向けの受注が上向くとみている。自動車の部品加工向けは、品質向上や生産の自動化のための設備投資が継続していることに加え、中国政府の減税政策の効果による受注が下期に出てくるとみている。自動車の金型向けについても同様に、政府の消費刺激策により、2018年度第4四半期から継続している減少傾向が上向くとみている。
インドは自動車と二輪向けの部品加工向け受注を中心に、2018年度並みとなる見通し。アセアンはベトナム市場からの受注増により2018年度を上回る見通し。
<セグメントⅢ> ( MAKINO INC.)
2018年度を下回る見通し。自動車のSUVやトラック、医療の部品加工向けの引き合いは堅調を維持しており、受注が大きく減少することはないとみている。航空機向けは堅調に推移するとみている。その中で、一部の航空機材の減産による影響が出てくるとみている。
<セグメントⅣ> ( MAKINO Europe GmbH )
2018年度並みとなる見通し。航空機向けでは増産のための設備投資が続くとみている。一般機械や自動車の部品加工向けは、欧州の販売体制の強化によって受注を維持する見通し。
2020年3月期(2019年度)の連結業績は、売上高1,790億円(前期比12.6%減)、営業利益120億円(同42.0%減)、経常利益125億円(同43.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益97億円(同42.9%減)の見通し。
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