中外製薬、総額182億円投じ藤枝工場に製造棟建設、2019年11月着工

・低・中分子医薬品のさらなる開発加速に向けた新合成原薬の製造棟

 中外製薬は4月24日、低・中分子医薬品のさらなる開発加速を目的に、臨床試験用原薬の新たな製造棟を、生産子会社である中外製薬工業(本社:東京都北区)の藤枝工場(静岡県藤枝市)内に建設することを決定したと発表した。

 新合成原薬製造棟建設は、中外製薬で初となる中分子治験原薬の製造機能に加え、低分子治験原薬の供給能力を増強することを目的としている。これにより、低・中分子医薬品の開発加速のみならず、製造コスト低減が期待される。また、中外製薬では高い薬理活性を有する化合物の取り扱いが増加していることから、高度な封じ込め技術を備えた製造設備・建物構造とすることで、環境面への配慮とともに製造員の安全確保を徹底する。

 中外製薬はこれまで、抗体医薬品への積極的な投資により、革新的プロジェクトの連続創出を可能にすると共に、グローバルトップレベルのスピードで複数品目を同時開発する体制を築いてきた。今回の設備投資は、低・中分子医薬品に対しても、将来の競争優位性を築くための高速開発と供給機能を強化するもの。中外製薬は世界の患者に革新的な新薬をいち早く届けることを目指している。

 中外製薬執行役員製薬本部長の村田 博氏は「中外製薬が次世代のコア創薬技術と定めた中分子医薬品は、熾烈な開発競争の中にあり、工業化技術基盤の早期確立と、治験薬の確実な供給が求められています」と述べたうえで、「現在、浮間研究所では低・中分子の製法開発機能強化に向けて新合成実験棟を建設中です。この実験棟で開発された製法により治験原薬を速やかに供給する体制を構築する事で、低・中分子医薬品の開発を加速していきます」と語っている。

<藤枝工場の概要>

所在地:静岡県藤枝市高柳2500

敷地面積:216,804㎡

延床面積:25,866㎡ *新原薬製造棟の延床面積を含む

業務内容:低分子原薬生産、固形剤製造、医薬品包装、臨床試験用原薬製造

<藤枝工場低・中分子原薬製造棟新設工事の概要>

着工時期:2019年11月

建築完了:2021年3月

総投資額:182億円

竣工:2022年3月

稼動時期:2022年5月

建設面積:1,744㎡ (免震4階建)

延床面積:6,190㎡

 画像:低・中分子原薬製造棟イメージ図

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