三菱日立パワーシステムズ(MHPS)、固体酸化物形燃料電池とマイクロガスタービンのハイブリッドシステムを安藤ハザマから受注

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は4月25日、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)とマイクロガスタービン(MGT)の組み合わせによる加圧型複合発電システム(ハイブリッドシステム)である「MEGAMIE(メガミー)」を、安藤ハザマ(株式会社 安藤・間)から受注したと発表した。今年度中に安藤ハザマの技術研究所(茨城県つくば市)に納入、同社が国の支援を得て進める広域的環境負荷抑制プロジェクトの「安藤ハザマ次世代エネルギープロジェクト」をCO2の排出削減に寄与する次世代分散型電源として支えていく。

 メガミーは、都市ガスを燃料とし、約900℃の高温で作動するセラミックス製SOFCとMGTの両方で発電するもの。燃料を燃焼させることなく、SOFC内部で都市ガスを改質して水素や一酸化炭素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させることで発電する。さらに、後行程でMGTを使って発電することで燃料を有効活用する。また、コージェネレーション(熱電併給)の場合には、残りの排熱を蒸気または温水として回収するため、総合効率はそれぞれ65%以上、73%以上に達するとともに、従来の発電システムに比べて顧客の工場・ビルからのCO2排出量を約47%削減することができ、低炭素社会の実現に貢献する。

 安藤ハザマの次世代エネルギープロジェクトは、CO2発生の少ない分散型電源を活用した自家発電・自己託送制度による自社事業所への電力融通事業で、2018年8月に国土交通省の同年度「第1回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」(注)に採択されたもの。

 MHPSのメガミー商用機は、初号機が三菱地所の丸の内ビルディングで東京駅前の街づくりを低炭素社会の形成に向けた省エネ・環境配慮性の高い分散型コージェネ機能で担う新しい自家発電設備として、今年2月から稼働。今回受注の安藤ハザマ向けはこれに次ぐもので、企業内事業所を横断的に結んだエネルギー供給における環境負荷抑制への挑戦をサポートしていくこととなる。

 MHPSは、今回のメガミー受注を追い風として、業務・産業用燃料電池の普及促進に向けた提案営業を活発化するとともに、同システムのさらなる性能や利便性の向上に取り組み、持続可能性の高い低炭素社会にふさわしいエネルギー創出に貢献していく。

(注)国土交通省が、省エネ・省CO2に係る先導的な技術を導入した住宅・建築物のリーディングプロジェクトに対して、整備費用の一部を補助するもの。

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