JAXA、川崎重工など、液化水素用船陸間移送ローディングアームを開発

 東京貿易エンジニアリング(TEN)、川崎重工業、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)および一般財団法人日本船舶技術研究協会(JSTRA)は4月18日、内閣府が推進するSIPにおいて、世界初の液化水素用船陸間移送ローディングアームを開発したと発表した。

 水素は、太陽光や風力などの自然エネルギーと同様に、使用時に二酸化炭素を排出しない燃料として注目されており、燃料電池自動車や水素発電などの普及に向けた取り組みが行われている。日本は、低コストでの水素利用を実現するために、海外の未利用エネルギーとCCSとの組み合わせおよび再生可能エネルギーから水素を大量調達できる国際的なサプライチェーンの構築において必要となる液化水素運搬船や液化水素荷揚基地の建設を進めている。

 液化水素運搬船による海上輸送はこれまでに世界中で実績がないため、船と基地を繋ぐ重要な設備として液化水素用ローディングアームを新たに開発した。液化水素の温度は空気の液化温度より低いため、既存技術のLNG用ローディングアームでは、移送時に配管表面に液体酸素が生成され、火災を誘発する可能性がある。この課題の解決策として、液体酸素を生成させない高い断熱性と安全に運用するための機構を備えた。

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