東洋紡、総額60億円投じて敦賀事業所にセラコン用離型フィルム加工設備を増設

・車載向け用途の需要拡大に応じて生産体制を強化

 東洋紡417日、車載用セラミックコンデンサ(以下、セラコン)需要の急増に対応するため、2021年春をめどに敦賀事業所2号機を増設し、生産体制を強化すると発表した。

 セラコンは、電流を調整したり、電気を一時的に蓄積したりする汎用的な電子部品として、さまざまな電子回路に搭載されている。スマートフォンの高機能化や、IoTAIの普及・進展により市場が拡大しており、2017年度に約7,000億円だった市場規模は、2023年度には14千億円に達することが見込まれている。

 東洋紡は、セラコンの製造時に不可欠な離型フィルムを製造・加工している。セラコン市場の拡大を受け、敦賀事業所に工場棟を新設し、離型フィルムのコーティング加工設備の1号機を今夏にも稼働する予定。

 今回の2号機の増設は、自動車の電装化や電動化の急ピッチな進展により、セラコンの自動車への搭載数が急増していることなどを受けて決めた。東洋紡は1号機と2号機に総額で60億円を投資し、生産体制を強化。2023年度までに売上高の倍増を目指す。

■東洋紡のセラコン用離型フィルムについて

 東洋紡は、ハイエンド品と位置づけられる超小型(0.6mm×0.3mm以下)セラコン用離型フィルムにおいて、原反の製造から離型層のコーティング加工まで一貫して行える唯一のメーカー。平滑性に優れたフィルムを製造する独自技術と、高度なクリーン環境を維持できる加工技術を保有している。

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