プライメタルズテクノロジーズ(以下PT社)は4月18日、オーストリアの製鉄会社フェストアルピーネ・シュタール社(voestalpine Stahl GmbH:フェストアルピーネ社)のリンツ製鉄所にあるスラブ連続鋳造機8号機向けに納入した自動化システム(レベル2)が順調に稼働を開始したと発表した。
この自動化システムは、2018年に納入された他社製の連続鋳造機の既存システムを置き換えたもので、今回の更新により、同製鉄所における全ての連続鋳造機でPT社の同一バージョンのレベル2システムが稼働することとなった。これによりメンテナンスが簡素化するほか、全ての連続鋳造機でオペレーターを柔軟に配置できるようになる。また、ダイナギャップソフトリダクション(DynaGap Soft Reduction)やダイナックス3D(Dynacs 3D)二次冷却システムのような特殊な冶金モデルを用いた高品質な鋼種の製造が全ての連続鋳造機で可能になった。
スラブ連続鋳造機8号機は、シングルストランドのダミーバー上方挿入方式プラントとして設計された年産120万トンの連続鋳造機で、2018年1月の稼働開始以降、自動車産業などに向け、高品質な鋼種の製造に使用されている。PT社が納入した新たなレベル2システムには、ダイナギャップソフトリダクション、ダイナックス3D二次冷却システムのほか、二次冷却系統をオンラインで監視するためのノズルエキスパート(Nozzle Expert)、溶鋼の湯もれを自動で早期に検知しプロセスデータを監視するためのモールドエキスパート(Mold Expert)、ならびに品質データの監視、記録、評価を行うその他のソリューションが含まれている。
フェストアルピーネグループは、技術・産業製品における世界的リーダー企業で、材料と加工の両方における専門能力を有している。鉄鋼およびその他の高品質な金属製品、ならびに製造システムソリューションを通じて、ヨーロッパの自動車・家電機器産業だけでなく、世界の航空産業、石油・ガス産業における有力なパートナーとなっている。また同社は、鉄道の分岐技術、特殊レール、工具鋼、特殊形鋼の分野でも世界の市場をリードしている。