・10 基目の中国向けEAF Quantum 電気炉
・溶鋼 1 トン当たりの電力消費量を大幅に低減、操業コストとCO2 排出量も削減
・溶解間隔の大幅な短縮化
プライメタルズテクノロジーズ(以下、PT社))は4月16日、中国の鉄鋼メーカーである梧州市永達鋼鉄有限公司(Wuzhou Yongda Special Steel Co., Ltd.: 梧州市永達鋼鉄)から、広西チワン族自治区梧州市における新設プロジェクト向けに新型電気炉EAF Quantum とツインレードル炉を受注したと発表した。
EAF Quantum はさまざまな組成や品質の鉄スクラップを処理できるよう設計されており、スクラップの余熱により電気炉の消費電力は大幅に低減され、操業コストとCO2 排出量をともに削減可能。ツインレードル炉は、生産対象鋼種に対する鋳造温度を設定どおり正確に制御する。この新型電気炉は2020 年初めに稼働を開始する予定で、中国向けとしては10 基目となる。
梧州市永達鋼鉄は中国南部の広西チワン族自治区にある民営製鉄会社で、棒鋼、鉄筋、線材を製造している。EAF Quantum とツインレードル炉は、ステンレス鋼を生産する同社の新設プロジェクトの一環として設置される。PT社は、機械および電気プロセス設備一式と、自動化技術として、自動スクラップヤード管理機能、自動装入プロセス、自動ランス酸素吹込み装置および砂充填設備、インダストリー4.0(Industry 4.0)に対応するレベル2 オートメーションを納入する。また今回の受注には除塵装置用の基本データパッケージも含まれている。
PT社が開発した新型電気炉EAF Quantum は、実績あるシャフト炉技術と革新的なスクラップ装入プロセス、高効率予熱システム、新しい傾動方式を有する下部容器、最適化された溶解システムを装備し、出鋼間隔の大幅な短縮を実現する。従来の電気炉に比べ消費電力が大幅に抑えられ、電極と酸素の消費量低減もあいまって、全体で約20%の処理コストの削減が可能。全体のCO2 排出量も従来の電気炉と比較すると粗鋼1 トン当たり最大で30%削減できる。また、最新の自動排ガス制御を備えた総合除塵システムは環境要求事項のすべてを満たしている。