・二次電池の高容量化に必要な水酸化リチウムを国内で製造販売へ
豊田通商は4月12日、炭酸リチウム生産のパートナーである豪リチウム資源開発会社 Orocobre Ltd(オロコブレ:以下、Orocobre)と福島県双葉郡楢葉町において水酸化リチウムの製造事業を行うことを決定し、合弁で新会社「豊通リチウム株式会社」(以下、豊通リチウム)を設立したと発表した。着工は2019年上半期中を予定し、2021年上半期中の生産開始を目指す。
豊田通商は、2014年末からOrocobreとともにアルゼンチンオラロス塩湖での炭酸リチウム生産を開始し、2018年11月末に拡張を決定した。需要が伸びている車載二次電池用炭酸リチウムの供給だけでなく、リチウム電池の技術革新に伴い二次電池の高容量化も見込まれることから、原料となる水酸化リチウムの生産・供給体制を構築することとした。
生産する水酸化リチウムの原料(炭酸リチウム)は、アルゼンチンのリチウム生産拠点Sales de Jujuy(サレス・デ・フフイ:SDJ)から調達し、生産能力は10,000トン/年を目指します。販売は、グループ会社である豊通マテリアルが100%を請け負い、車載二次電池用だけでなく他工業製品用にも販売する予定。また、同事業は東日本大震災の復興支援である経済産業省の自立帰還支援雇用創出企業立地補助金の対象で、豊通リチウムでは50人以上の新規雇用を予定しており、地域経済の活性化や復興の加速化に貢献します。なお、総事業費は90億円程度を見込んでいる。
2018年の炭酸リチウム生産能力拡張および本件を通じて、豊田通商は自動車の電動化シフトに伴うリチウム需要の増加に対応していく。
<豊通リチウム:会社概要>
社名:豊通リチウム株式会社
設立:2018年10月
資本金:10億円
所在地:福島県双葉郡楢葉町
従業員数:50人以上(予定)
生産能力:水酸化リチウム 10,000トン/年
生産開始:2021年上半期予定