川崎重工、LPG焚き二元燃料機関ME-LGIPエンジンを受注

   川崎重工業は4月11日、Kumiai Navigation (Pte) Ltd(シンガポール)の大型LPG(※1)運搬船向けに、舶用電子制御式液化石油ガスインジェクションディーゼル機関(ME-LGIPエンジン)「川崎-MAN B&W 7S60ME-C10.5-LGIP」を国内舶用主機メーカーとして初めて受注したと発表した。

 受注したエンジンは神戸工場で製造し、2020年9月には同じく川崎重工が建造するLPG運搬船に坂出工場で搭載する予定。

 同エンジンは、重油と液化石油ガス(LPG)の双方に対応する2元燃料エンジン。また、燃料消費率の低減とNOx3次規制対応を同時に達成する「K-ECOS Lite(※2)」を搭載している。LPG燃料使用時に、従来型の重油焚2サイクルディーゼル機関と比べて、硫黄酸化物(SOx)の排出量を90%以上削減するだけでなく、二酸化炭素(CO2)の排出量も大きく抑えることが可能。

 海上輸送では今後、国際海事機関(IMO)により、欧州をはじめ全世界的に硫黄酸化物(SOx)や二酸化炭素(CO2)などに厳しい排出規制の適用が予定されている。川崎重工は、排出規制をクリアする次世代の舶用主機関のひとつとして、ME-LGIPエンジンを積極的に営業展開していく。

<「川崎-MAN B&W 7S60ME-C10.5-LGIP」機関の概要>

出力:12,850kW

回転数:84rpm

シリンダ直径:600mm

シリンダ数:7

※1 LPG(Liquefied Petroleum gas):プロパン・ブタンまたはその混合ガスを液化したもの。

※2 K-ECOS(Kawasaki-ECO System)Lite:排気再循環(EGR)、過給機カットシステム、廃水処理システムを構成要素とし、IMO NOx 3次規制をクリアするとともに低燃費・低ランニングコストを実現する複合低環境負荷システム。

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