㈱竹内製作所が4月9日に発表した2019年2月期(2018年3月~2019年2月)連結業績によると、売上高は過去最高となる1,101億7千5百万円(前年度比16.8%増)となった。利益面については、原材料価格の上昇及び販売台数の増加に伴う運搬費の増加等を増収効果で吸収し、営業利益は154億1千1百万円(同9.0%増)となり、経常利益は154億9千6百万円(同10.4%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用を43億3百万円計上したため、113億9千1百万円(同19.3%増)となった。
主力市場である米国は、景気拡大が継続したものの、関税発動による原材料コストの上昇や通商政策を巡る不確実性が重石となり、企業の設備投資は高水準を維持しながらも一服した。住宅市場は、住宅価格や長期金利の上昇が影響して需給の調整局面に入ったが、個人消費そのものは良好な雇用・所得環境が下支えとなり、好調に推移した。
また、欧州は年度後半で景気の減速感が強まったが、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費は底堅く推移し、製造業、サービス業ともに稼働率は高い水準にあり、設備投資や建設投資は堅調さを維持した。英国では、EU離脱期限が条件付きで延期され、先行きに対する不透明感が強まった。
このような環境の中、竹内製作所グループの製品需要は米国及び欧州ともに高い水準を維持しており、2018年1月にはクローラーローダーの新製品を、2018年3月にはミニショベルの新製品を市場投入し、積極的な販売活動を展開した結果、ミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの年度の販売台数は、前年度に比べいずれも増加した。
■セグメント別の業績
日 本:2018年3月にミニショベルの新製品を市場投入したこともあり、欧州向けミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は401億4千7百万円(前年度比21.2%増)となった。セグメント利益は、原材料価格の上昇、運搬費の増加及び米国販売子会社への製品販売価格の引き下げ等により、116億5千万円(同5.3%減)となった。
米 国:2018年1月にクローラーローダーの新製品を市場投入したこともあり、ミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの販売台数が増加したこと等により、売上高は507億円(前年度比11.8%増)となった。セグメント利益は、増収効果、日本からの製品仕入価格の値下げ等により、27億3千1百万円(同76.8%増)となった。
英 国:ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は121億9千2百万円(前年度比12.7%増)となり、セグメント利益は6億3百万円(同12.8%増)となった。
フランス:ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は66億1千4百万円(前年度比39.8%増)となったが、セグメント利益は日本からの製品仕入価格の値上げの影響及び販売促進費の増加等により、2億3千7百万円(同24.5%減)となった。
中 国:ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は5億2千1百万円(前年度比69.3%増)となり、セグメント利益は日本への部品の供給が増加したこと及び貸倒引当金の戻入があったこと等により、4億2千2百万円(同5.4%増)となった。
■2020年2月期の業績見通し
竹内製作所グループは、第二次中期経営計画(2020年2月期~2022年2月期)を策定し、今年3月よりスタートした。その初年度となる2020年2月期の連結業績は、売上高1,150億円(前年度比4.4%増)、営業利益140億円(同9.2%減)、経常利益140億円(同9.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益100億円(同12.2%減)となる見通し。
竹内製作所グループの主力販売市場は、米国及び欧州である。米国では、労働市場が力強さを維持し、所得の増加が継続する見通しで、個人消費及び住宅需要は緩やかに拡大していくと予想している。欧州においては、英国のEU離脱問題や独仏伊の政治不安などを背景に、欧州主要国のマクロ経済は減速感が強まっているものの、人手不足を背景とした良好な雇用・所得環境は継続する見通しで、個人消費及び住宅需要は底堅く推移すると予想している。また、米欧の両地域に共通して、道路、上下水道、ガス管などの生活インフラの老朽化が進行しており、行政によるメンテナンス工事が不可欠であり、計画的かつ確実に実施されると見込まれる。
以上により、製品需要は米国、欧州ともに増加する見通しながらも、買入部品の調達量が需要量に対して不足する見込みとなり、販売量を絞った結果、次期の連結売上高は1,150億円(前連結会計年度比4.4%増)となる見通し。
調達力の強化については、既存サプライヤーとの連携を強化するとともに、高い品質を維持しながら新規サプライヤーをグローバルに開拓することにより調達リスクの分散を図るなど、需要に応じた調達、生産、販売を安定的に行える体制整備に早急に取り組んでいく。
利益面については、主要通貨の前提為替レートを総じて円高に設定したこと、鋼材、油脂類を主とした原材料コストの増加及び販売運賃の上昇を見込むこと等により、営業利益は140億円(同9.2%減)、経常利益は140億円(同9.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は100億円(同12.2%減)となる見通し。
第二次中期経営計画(2019年度~2021年度)の策定に関するお知らせ
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