丸紅、チリ・ロスペランブレス銅鉱山のプラント増強事業向け融資契約を締結

・格付機関S&P社より鉱山業界で世界初となるグリーンローン認定を取得

 丸紅は4月9日、間接的に出資するチリ共和国・ロスペランブレス銅鉱山の運営会社であるMinera Los Pelambres社が、プラント増強事業の費用として関係金融機関との間で総額13億米ドル(約1,443億円)の融資契約を締結したと発表した。融資契約の一部は、格付機関Standard & Poor’s社(以下、「S&P社」)より鉱山業界では世界で初めてグリーンローン(*)の認定を取得している。

 融資契約には、国際協力銀行(JBIC)、みずほ銀行、三井住友銀行、カナダ輸出開発公社(EDC)、Scotiabank及びBank of Chinaが参加している。

 ロスペランブレス銅鉱山は現地パートナーであるAntofagasta plc社及び丸紅を含む日本コンソーシアムが共同運営する、年間銅生産量約36万トン規模の世界有数の大型銅鉱山であり、チリでトップクラスのコスト競争力を誇る。

 同事業は、ロスペランブレス銅鉱山の粗鉱処理能力増強のための選鉱場を増設し、脱塩水プラントを建設することで、日量19万トンのプラント処理量を達成する。建設完了は2021年を予定し、完了後は年間6万トンの銅生産量の増加を見込んでいる。

 なお、融資契約の一部は将来的に水資源の保全に寄与することから、環境に配慮した事業に対する資金の融資を対象とするグリーンローンの認定を受けました。S&P社が認定する鉱山業界のグリーンローンでは世界初となる。

 丸紅は、優良銅権益を確保することにより、今後銅需要の増加が見込まれる電気自動車(EV)への対応やIoT社会の発展に寄与し、日本への銅の安定供給に貢献することを目指している。今後も長期的な視点から、更なる銅事業基盤の強化に継続的に取り組んでいく。

(*) 2018年3月に、英国のローンマーケット協会とアジア太平洋地域ローンマーケット協会が共同策定した国際的なガイドライン「グリーンローン原則」に適合したローン。調達資金の使途やプロジェクト評価・選定プロセスなどの項目を設ける。

<ロスペランブレス銅鉱山概要>

所在地:チリ共和国第Ⅳ州(コキンボ州)

資源量:61億トン、銅品位:0.50%(2018年末時点)

銅生産量:年間約36万トン

持分権益比率:会社名 権益比率

 Antofagasta plc社 60.00%

 JX金属株式会社 15.79%

 丸紅 9.21%

 三菱マテリアル株式会社 10.00%

 三菱商事株式会社 5.00%

 ニュースリリース

<関連プレスリリース>

・2018年11月15日:チリ共和国・ロスペランブレス銅鉱山のプラント増強計画実行について

https://www.marubeni.com/jp/news/2018/release/20181115J.pdf