三菱重工グループ、機械駆動用H-100形ガスタービンとコンプレッサの主冷凍パッケージが初採用

・モザンビーク・ロブマ(Rovuma)LNG第1期プロジェクトで

 三菱重工業は4月2日、同社とグループの三菱重工コンプレッサ(MCO)、および三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が供給するガスタービンおよびコンプレッサパッケージが、米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil Corporation)が共同事業者と東アフリカのモザンビーク共和国で進めるロブマ(Rovuma)LNG(液化天然ガス)第1期プロジェクト向けとして採用されたと発表した。LNGプラント向けに三菱重工グループのパッケージが採用されるのは、今回が初めてです。MHPS製の出力12万kWのH-100形ガスタービンをMCO製コンプレッサの駆動機に適用したLNG生産設備の主冷凍パッケージを供給するもの。

 ロブマLNGプロジェクトは、エクソンモービルが2017年にモザンビーク沖合のロブマ堆積盆地の鉱区で獲得した天然ガスを原料として、Air Products AP-X®の液化プロセス技術を用いて世界最大級のLNGプラントを建設するもの。2系列のLNGプラントで構成され、それぞれ年間760万トンの生産を見込んでいる。

 三菱重工の社長兼CEOに就任した泉澤清次氏は、今回の採用について次のように述べている。「エクソンモービルとそのパートナーに、当社グループのH-100形ガスタービン駆動のコンプレッサパッケージをLNGプロジェクト向けに採用して戴き、念願の市場参入を果たすことができました。三菱重工のLNGソリューションは、お客様に建設コストやライフサイクルコストの低減、ならびに世界最先端の低環境負荷技術を提供します。今回の初採用を契機に世界中のお客様に貢献して参りたいと思います」。

 MCOは、石油・ガス・石油化学業界に最先端のコンプレッサを提供してきた豊富な実績を有している。一方、MHPSのH-100形ガスタービンは、2軸方式では世界最大級の出力を誇るヘビーデューティ型ガスタービン(注)です。高効率・高信頼性に加え、最新の燃焼器技術が適用されており、業界をリードする低NOx性能(一桁ppm)を達成し、環境負荷が低いことが特徴。

 三菱重工のLNG向け主冷凍パッケージは、ヘルパーモーターとその他の電気設備が不要となるため現在普及している主冷凍パッケージと比べ、シンプルな機器構成となっている。小設置スペースと少ない機器構成により、建設、メンテナンス面で高い経済性を顧客に提供する。また運用面では2軸機の特性を生かし素早い起動と可変速運転、及びコンプレッサのフル圧力での再起動が可能になり、LNG生産の最大化に寄与する。

 三菱重工のLNGソリューションは、LNGプラントに対して、最適なソリューションを提供する。三菱重工グループはオイル&ガスならびにエネルギー業界に多様な製品と最新技術で貢献していく。

(注)一定の出力を維持して長時間連続運転することを前提として設計されたガスタービンで、手入れしやすく低い保守頻度で済むことが特徴となっている。

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