㈱荏原製作所は4月1日、農林水産省東北農政局発注の国営かんがい排水事業「中津山地区鶴家排水機場」に排水ポンプ設備を納入したと発表した。
同地区は宮城県の北東部(石巻市、登米市)に位置し、稲作を中心に、水田の畑利用による麦・大豆などの生産が盛んな県内有数の農業地帯。この地域は、北上川と旧北上川に囲まれた輪中地帯* であることや、既設の排水設備の老朽化による排水能力の不足により、大雨時の冠水被害が増大していた。このため、ポンプの排水能力増強と、古い設備の維持管理にかかる費用の低減が課題となっていた。
今回納入した横軸斜流ポンプは口径2,000mm×2台、口径1,500mm×1台、口径900mm×1台。ポンプと原動機の効率化を図り、省エネルギーを実現することで維持管理費の削減にも貢献している。総排水量27.0m3/s(旧:13.6m3/s)。契約金額は、1,081,500,000円(税別)。
今回納入した鶴家排水機場と、荏原がポンプ設備を納入した後谷地排水機場(平成28年9月完成、排水ポンプ4台の計画排水量20㎥/s)を合わせると、この地域の排水能力は従来の約1.8倍となった。
※輪中地帯:集落や耕地を水害から守るために周囲を堤防で囲んだ地域。