国際協力銀行(JBIC)、アラブ首長国連邦シャルジャ首長国ハムリヤ天然ガス焚複合火力発電事業に対するプロジェクトファイナンス

・質高インフラ環境成長ファシリティの一環として、シャルジャ首長国初のIPPプロジェクトを支援

 国際協力銀行(JBIC)は4月1日、3月31日、「質高インフラ環境成長ファシリティ」(QI-ESG )の一環として、住友商事及び四国電力等が出資するアラブ首長国連邦法人Sharjah Hamriyah Independent Power Company PJSC(以下SHIPCO)との間で、同国ハムリヤ天然ガス焚複合火力発電事業を対象として、融資金額約555百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンスによる貸付契約を締結したと発表した。融資は、三井住友銀行、三井住友信託銀行、農林中央金庫、ソシエテ・ジェネラル銀行及びスタンダードチャータード銀行等との協調融資によるものであり、協調融資総額は約1,129百万米ドル。民間金融機関の融資の一部に対しては、日本貿易保険(NEXI)による保険が付保される。

 プロジェクトは、SHIPCOが、シャルジャ首長国のハムリヤ地区において、発電容量1,800MW(600MW×3系列)の天然ガス焚複合火力発電所を建設・所有・運営(BOOT)し、完工後23.5年に亘りシャルジャ首長国電力・水庁(Sharjah Electricity and Water Authority)に売電するものであり、シャルジャ首長国にとっては初のIPP事業となる。

 日本政府は、2018年6月に改訂した「インフラシステム輸出戦略」において、インフラの設計・建設・運営・管理を含むシステムの受注や現地での事業投資の拡大の推進を表明している。また、2018年7月に日本政府が発表した「エネルギー基本計画」において、政策金融を活用した事業における日本のユーティリティ企業等の参入促進を通じたエネルギー産業の国際競争力強化及び国際展開の推進が掲げられている。融資はこれらの政府の施策に合致するものであり、日本企業が出資者として事業参画し、長期に亘り運営・管理に携わる海外インフラ事業を金融面から支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するもの。

 シャルジャ首長国では、電力需要が拡大を続ける一方、電力供給の約5割をアブダビ首長国からの輸入に頼り、残りの電力を老朽化が進む国内の既存発電所で賄っている。プロジェクトは、主要な電力供給源として高効率なガス火力を利用した大型発電所の開発を進める同首長国政府の電力政策にも合致するもの。

 加えて、同プロジェクトは、米国General Electric Company社製のガスタービン等を採用しており、2018年4月23日に開催された第2回日米第三国インフラ協力官民ラウンドテーブル後に発表された日米インフラ協力案件の一つに位置付けられている。

 .JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、民間金融機関等とも連携しながら日本企業による海外インフラ事業展開を金融面から支援していく。

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