・高効率かつコスト競争力のある蒸気タービンを拡販
川崎重工業と東芝エネルギーシステムズ(本社:神奈川県川崎市)は3月28日、事業用火力発電所や産業用自家発電所向け中型蒸気タービンの供給について協業し、国内外で販売活動を開始すると発表した。
世界的な再生可能エネルギーの導入拡大の流れを受け、火力発電向け蒸気タービン市場の主流は、大容量帯から300MW級以下の中小容量帯へのシフトが進んでいる。また、従来中小容量向け蒸気タービンに求められていたコスト競争力や事業用、産業用といった様々な用途への適応性に加え、蒸気条件の向上や再熱サイクル化などによる高効率化、電力供給の調整力向上のニーズも高まっている。
このような背景を受けて、両社は、東芝エネルギーシステムズが有する事業用火力発電所向け蒸気タービンの製造で培ってきた材料技術や信頼性技術と、川崎重工が有する船舶用や自家発電用蒸気タービンの製造で培ってきた多様な仕様や柔軟な運用に応えるコンパクトな高速タービン技術やパッケージ化技術を組み合わせた蒸気タービンを共同で開発する検討を進めてきた。両社は高効率かつコスト競争力のある100~200MW級の中型蒸気タービンについて、両社のサプライチェーンを相互に有効活用して製造・販売する。
高圧タービンと減速ギアなどを川崎重工が、中低圧タービンなどを東芝エネルギーシステムズが供給し、両社はそれぞれの販売網を通じてグローバルに中型蒸気タービンの販売拡大を目指す。
東芝エネルギーシステムズは、これまで長年培ってきた火力発電設備における世界トップレベルの知見・技術力を基に、市場の変化に柔軟に対応し、これからも電力の安定供給と環境負荷低減に貢献していく。
川崎重工は、産業用蒸気タービンの導入で培った個別ニーズに対応する能力を基に、協業による事業シナジーを追及することにより、効率的なエネルギー利用につながるエネルギー・環境ビジネスの積極的展開を目指す。
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