住友商事、日本信号および㈱きんでんのコンソーシアムは3月22日、ミャンマー国鉄からヤンゴン環状鉄道改修事業のうち、鉄道信号システム・信号用電力供給設備一式の改修事業を受注したと発表した。
ヤンゴン市は、人口約500万人を抱える同国最大の商業都市。同市内を走る総延長約46キロメートル(全38駅)のヤンゴン環状鉄道では、施設や機材、車両の老朽化が進み列車運行速度の低下や遅延、脱線事故が頻発している。現在は1周に約3時間を要しており、輸送サービス機能の向上が喫緊の課題となっている。
同事業は、国際協力機構とミャンマーとの有償資金協力に基づき計画された日本国政府開発援助事業。ヤンゴン環状鉄道のうち、無償資金協力によって整備された2キロメートル区間を除く、44キロメートル区間の信号システムと信号用電力供給設備の改修工事を行う。既存路線の老朽化した設備を改修することで、ミャンマーの鉄道の安全性と運行速度向上に寄与し、都市部における深刻な交通渋滞の軽減に貢献する。2019年4月以降に着工、2022年5月の完工予定で、契約金額は約70億円。
住友商事は、これまでに国内外で積極的に鉄道関連ビジネスを展開しており、東南アジア、米国、東アジアを中心に数多くの鉄道建設案件、車両輸出案件を手掛けてきた。住友商事は、豊富な経験を活かして本事業の着実かつスムーズな契約履行を推進していく。
日本信号は、アジアを中心とした諸外国に信号システム・AFC(※1)システム・PSD(※2)システムを納入してきた。同事業では、電子連動装置等の信号システムを納入する。約90年の歴史の中で培ってきた「安全と信頼」の鉄道信号技術を活かし、ミャンマーの快適で安全な街づくりに貢献していく。
きんでんは、国内外で変電所や架空・地中送電線から配電線まで電力インフラ設備を構築・維持してきた。それらのノウハウを活かし本事業では、信号システムへの電源供給工事を担う。高品質な電力供給を通じ、ミャンマーのインフラを支える。
同コンソーシアムは、老朽化した施設・設備の改修を通じて、鉄道輸送サービスの安全性と運行速度を向上させ、ミャンマーの経済発展と国民生活の質の向上に貢献していく。
※1:AFC=Automated Fare Collectionの略称。自動改札機や券売機などのシステム一式を指す。
※2:PSD=Platform Screen Doorsの略称。駅ホーム上に設置する転落防止柵・ドアのことで、日本ではホームドアと称する。
<プロジェクト概要>
案件名 : ヤンゴン環状鉄道改修事業(ヤンゴン環状線内 約44km)
Yangon Circular Railway Line Upgrading Project : CP201 Signalling Works
発注者 : ミャンマー国鉄
工事範囲 : 鉄道信号システム・信号用電力供給設備 改修工事一式
予定工期 : 38か月(着工は2019年4月以降を予定)
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