日立建機、タタ日立のインドの工場が太陽光パネル発電に切り替え約30%の電力消費量を削減

 日立建機は3月19日、連結子会社で建設機械の販売、サービスおよび部品の製造、販売を行うタタ日立コンストラクションマシナリーCompany Private Limited(本社:インド カルナタカ州バンガロール/以下、タタ日立社)が、西ベンガル州にあるカラグプール工場敷地内に設置された太陽光パネルで発電した電力の利用を開始すると発表した。

 この取り組みにより、2019年度からカラグプール工場の電力消費量の約30%にあたる年間約7,000MWhを環境負荷の少ない再生可能エネルギーで賄うことができる。CO2の削減量は、年間3,500トン、電力コストは年間で1,470万インドルピー(約2,300万円)のコスト低減を見込んでいる。

 また、カラグプール工場の事務棟には、LED照明をすでに導入している。従来の蛍光灯照明と比較すると、約年間76MWhの電力量を削減でき、電力コストでは年間約68万インドルピー(約100万円)削減することができる。

 タタ日立社では、2018年3月より、インド カルナタカ州のオープンアクセス制度(*)を背景にした電力供給契約(Power Purchase Agreement)により、ダルワッド工場の工場敷地外に設置されている太陽光パネルで発電した電気を利用し、ダルワッド工場の電力消費量の約75%にあたる年間7,500MWhを環境負荷の少ない再生可能エネルギーで賄っている。

 インドは、経済発展に伴い、電力需要が年平均4.9%のペースで拡大し、2025年までに欧州連合を上回り、中国と米国に次ぐ電力消費大国になることが見込まれているが、現状、慢性的な供給電力の不足により電力供給は不安定な状況。そのような状況の下、インド政府は、再生可能エネルギーの導入促進計画として、2022年までに175GW(太陽光と太陽熱100GW、風力60GW、バイオマス10GW、小水力5GW)の導入目標を掲げている。タタ日立社は、今回の取り組みを通じて、政府の計画に賛同するとともに、電力供給の安定化、電力コストの削減、CO2排出量の削減に取り組んでいく。

 日立建機グループは、日本国内では茨城県の5つの工場で日立製作所とともに省エネ活動に取り組んでおり、1月30日には平成30年度「省エネ大賞」の省エネ事例部門において、「省エネルギーセンター会長賞」を受賞した。このほか、グループを挙げてさまざまな製造プロセスの省エネ化に取り組んでおり、今回の取り組みもその一環。

*ある地域の送電系統に対し、第三者の自然エネルギーなどの発電事業者や電力供給者が利用することを優先あるいは開放すること。

<タタ日立社概要>

社名:Tata Hitachi Construction Machinery Company Private Limited

従業員数(2019年1月31日現在):1,976名

拠点数(2019年1月31日現在):製造拠点:3拠点、販売・サービス拠点: 32拠点

インド事業売上収益(日立建機連結 2017年度実績):651億円

生産品目:(タタ日立社の主要拠点

・ダルワッド工場 :ミニショベル、中型油圧ショベル、バックホウローダ

・カラグプール工場:中型油圧ショベル、大型油圧ショベル、ダンプトラック、ホイールローダ

・ジャムシェドプール工場:油圧ショベル用コンポーネント

沿革:

1984年  日立建機とテルコ社(現 タタモーターズ)の建設機械部門が、業務提携契約を締結

1998年  ダルワッドで製造工場を稼働開始

2000年  日立建機がテルコ社の全額出資子会社 テルコ コンストラクション エクイップメントCompany Limitedに資本参加

2008年  カラグプールで製造工場を稼働開始

2010年  日立建機が連結子会社化

2012年  タタ日立コンストラクションマシナリーCompany Limitedに商号変更

2015年  タタ日立コンストラクションマシナリーCompany Private Limitedに商号変更

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