日立造船の子会社、メタン発酵事業者としてスウェーデン・ヨンショーピング市にコンポガス®プラント建設

 日立造船は3月4日、子会社Hitachi Zosen Inova AG(スイス、以下HZI)が、スウェーデン・ヨンショーピング市内にコンポガス®技術を用いたバイオガスプラントを建設すると発表した。2019年3月に着工し、2020年末に稼動開始予定。

 HZIは2018年4月にメタン発酵事業者としてスウェーデン市場に参入し、現在、ヨンショーピング市内の湿式メタン発酵施設・ガス充填設備を運営している。新プラントは既存施設・設備の代替となるもので、乾式メタン発酵槽2基により年間40,000トンの有機性廃棄物を処理し、35GWhのバイオガスを生成する。当該バイオガスは高純度のメタンガスに精製され、輸送用燃料(バイオCNG:Compressed Natural Gas)として販売する。発酵過程で生じた液肥は地元農家が引き取る予定です。また、建設地内にあるごみ埋立地跡から排出されるガスを、プラント内の発酵槽加温に利用する。

 スウェーデンは、2045年までのカーボンニュートラル化を目指しており、公共輸送機関の燃料を化石由来から生物由来の燃料に切り替えられるかが達成の鍵と捉えている。ヨンショーピング市は有機性廃棄物のリサイクルやバイオCNG・液化バイオガスなどの生物由来の燃料創出で当該目標の達成に寄与している。HZIは今後も事業を通じて温室効果ガス排出削減に貢献していく。

<プラントの概要>

廃棄物処理量:有機性廃棄物(生ごみ、剪定枝等)40,000トン/年 

ガス生成量:バイオガス35GWh/年

残渣処理:堆肥化(固形堆肥、液肥)

建設地:スウェーデン王国 ヨンショーピング市 

稼動開始予定:2020年末

■HZIのコンポガス技術コンポガス®について

 乾式メタン発酵の代表的な手法の1つ。生ごみなどの有機性廃棄物を嫌気性状態で約55℃の温度に保ち、微生物の働きによりバイオガスを発生させます。処理済み残渣は農業・園芸用の堆肥や肥料として利用される。HZIのコンポガス®は世界30カ国以上の国々で商標登録されている。

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