三菱日立パワーシステムズ、ガスタービンほか火力発電の中核機器を受注

・中国 馬鞍山鋼鉄有限公司のGTCC設備向け

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は2月19日、中国の鉄鋼企業である馬鞍山鋼鉄有限公司(Maanshan Iron & Steel Company, Ltd.)向けにM701S(DA)X形ガスタービン、蒸気タービンおよび発電機を受注したと発表した。出力18万kW級の高炉ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の中核機器となるもので、運転開始は2020年末を予定している。

 今回の発電設備は、高炉、コークス炉および転炉から発生する副生ガスを有効利用するもので、すでに稼働しているGTCC発電設備への増設分として受注。運転開始後は、既存発電設備と同じく工場内で必要な電力の一部を賄う計画。

 高炉ガス焚きGTCC発電設備は、M701S(DA)X形ガスタービン、排熱回収ボイラー、蒸気タービン、発電機、ガスコンプレッサー、各種補機などで構成される。MHPSはこのうち、ガスタービン、蒸気タービン、発電機、ガスコンプレッサーのほか、電気集じん機、減速機などの補機を供給する。発電機は三菱電機製を採用する。

 馬鞍山鋼鉄有限公司は、安徽省に本拠を置く中国大手の鉄鋼企業。MHPSと馬鞍山鋼鉄集団との関係は良好で、MHPSは2007年に中国向けM701S(DA)形の初号機を中核とするGTCC発電設備1系列を同発電所向けに納入した実績がある。今回の受注は、MHPSガスタービンの優れた性能とこれらの実績が高く評価されたことによるもの。

 世界的な環境保全の流れを背景に、中国の製鉄業界でもCO2排出量の削減が強く求められている。高炉ガス焚きGTCCは、製鉄所から発生する副生ガスを有効利用することで、環境負荷低減に力を発揮するだけでなく、エネルギーの有効利用にも大きく貢献する。

 高炉ガスは天然ガスに比べてカロリーが低く、安定燃焼には高度な技術が要求される。MHPSは1980年代に専用の燃焼器を開発するなどして独自の高炉ガス焚きGTCC発電技術を確立。以来、国内外の製鉄所に数多く納入して、世界市場の6割超という世界トップのシェアを誇っている。

 MHPSは今後も、エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に貢献する高炉ガス焚きGTCC発電設備の受注活動を積極的に展開していく。

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