クボタ、2018年売上は5.7%増の1兆8,503億円-19年見通しは6.5%増の1兆9,700億円

 ㈱クボタが2月14日に発表した2018年12月期(1~12月)連結業績によると、売上高は、前期比993 億円(5.7%)増加して1 兆8,503 億円となった。うち、国内は官公需関連を中心とする水・環境部門が減収となったが、農業関連商品やエンジンなどを中心に機械部門が伸長したため、前期比135 億円(2.4%)増の5,773 億円。海外は緩やかな景気拡大を背景に建設機械、トラクタ、エンジンが大きく増加したほか、素形材やダクタイル鉄管も伸長したため、前期比857 億円(7.2%)増の1 兆2,730 億円となった。海外売上高比率は前期比1.0 ポイント上昇して68.8%となった。

 営業利益は原材料価格の上昇や固定費などの費用増を国内外での増販で補い切れず、前期比106 億円(5.3%)減の1,893 億円。税引前利益は営業利益の減少や、前期の金融収益には有価証券売却益が含まれていることに伴う金融収益の悪化により、前期比168 億円(7.8%)減の1,972 億円。法人所得税は米国連邦法人税率引き下げの影響などにより、前期比241 億円負担減の491 億円となり、当期利益は前期比68 億円(4.8%)増の1,501 億円。親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を44 億円(3.3%)上回る1,386 億円となった。

 クボタ2018年第4四半期と通期データ

■部門別の概況(外部顧客への売上高及びセグメント利益)

<機械部門>

 同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成。売上高は前期比6.3%増加して1 兆5,276 億円となり、売上高全体の82.6%を占めた。

 国内売上高は前期比4.9%増の3,089 億円。農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械が揃って増加した。

 海外売上高は前期比6.7%増の1 兆2,187 億円。北米では、需要拡大が続くトラクタや新機種を投入したユーティリティビークル(多目的四輪車)が増加したほか、堅調な建設・工事需要を背景に建設機械、エンジンも伸長した。

 欧州では、ユーロやポンドに対する円安効果に加え、建設機械やエンジンが大幅に増加した。アジアでは、農産物価格の上昇や雨季の天候が概ね良好に推移したことなどによりタイの農業機械が伸長したほか、インドのトラクタも順調に拡大した。

 一方、需要の大幅な減退により中国の農業機械が大きく減少したため、アジア全体では前期の売上を下回った。

 セグメント利益は鋼材価格の高騰や固定費などの費用増を国内外での増販で補い、前期並みの2,009 億円となった。

<水・環境部門>

 同部門はパイプ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、ポンプ、バルブ等)、環境関連製品(各種環境プラント等)、社会インフラ関連製品(素形材、スパイラル鋼管等)により構成。売上高は前期比2.3%増加して2,923 億円となり、売上高全体の15.8%を占めた。

 国内売上高は前期比1.0%減の2,384 億円。環境関連製品や社会インフラ関連製品は増加したものの、ダクタイル鉄管の低迷によりパイプ関連製品が大幅減。海外売上高は素形材、ダクタイル鉄管、浄化槽などの増加により、前期比19.9%増の539 億円となった。

 セグメント利益は原材料価格の上昇やダクタイル鉄管の国内売上が大幅に減少したことによる構成悪化などにより、前期比18.6%減少して199 億円となった。

<その他部門>

 同部門は各種サービス事業などにより構成。売上高は前期比5.3%増加の304 億円となり、売上高全体の1.6%を占めた。同部門のセグメント利益は前期並みの30 億円となった。

■2019年12月期見通し

 2019年12月期の売上高は前期比1,197 億円増(6.5%増)の1 兆9,700 億円を見込んでいる。国内市場では、環境関連製品を中心に水・環境部門が大きく増加するほか、機械部門も増収が予想されるため、国内売上は増加する見通し。海外市場では、機械部門が北米やアジアでの大幅な増収を見込んでおり、海外売上も増加する見通し。

 営業利益は為替の悪化に加え、原材料価格の上昇や固定費の増加が減益要因となるものの、国内外での増収や製品価格の値上げなどにより、当期比107 億円増(5.6%増)の2,000 億円となる見込み。また、税引前利益は当期比108 億円増(0.8%増)の2,080 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当期比64 億円増(1.5%増)の1,450 億円を予想している。

 業績見通しにおける想定為替レートは、1 米ドル=108 円、1 ユーロ=122 円としている。

 クボタの2018年12月期決算短信