・建機需要の増加で全社売上は6.1%増の3,069億円
KYBが2月13日に発表した2019年3月期第3四半期(2018年4~12月)連結業績によると、売上高は、国内および中国の建設機械市場における需要増加等により、前年同期比6.1%増の3,069億円と前年同期に比べて178億円の増収となったが、製品保証引当金繰入額258億円、独占禁止法関連損失44億円等をその他の費用として計上したことにより、営業損失は177億69百万円となり、親会社の所有者に帰属する四半期損失については、157億56百万円となった。
■2019年3月期の見通し
通期の業績予想については、4~12月期間において、免震・制振用オイルダンパーに係る製品保証引当金に関し、「その他の費用」として113億75百万円を積み増しした。(うち12月19日の前回発表時点で25億円を見込んでいたことから業績への追加影響額は88億75百万円)
加えて、4~12月期において、ダンパー関連の製品保証対策費として既に発生したものについて9億82百万円を「その他の費用」として計上した。これに伴い、営業利益は前回発表予想を102億円下回る見込みとなった。当期利益は、上記「その他の費用」の増加に伴い税金費用の減少が見込まれることから、58億円下方修正した。
なお、免震・制振用オイルダンパーに係る製品保証引当金については、現時点において信頼性のある見積もりが可能な費用についてのみ計上している。したがって、同案件の今後の進捗により、これらに関連して発生する当該交換用製品の交換工事に要する費用及び交換工事の実施に伴って発生する補償等の付随費用について信頼性のある見積もりが可能となった時点で連結業績に重要な影響を及ぼす可能性があるとしている。
現時点における2019年3月期連結業績予想は、売上高4,160億円(前期比5.7%増)、営業利益△120億円、親会社の所有者に帰属する当期利益△100億円としている。
~以下、KYBの第3四半期短信より
(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)
当社及び当社の子会社であるカヤバシステムマシナリー株式会社は、建築物用の免震・制振部材としてオイルダンパーを製造・販売してまいりましたが、今般、出荷していた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物(以下、不適合品が取り付けられていた建築物を「対象物件」といいます。)に取り付けていた事実(以下、「本件」といいます。)が判明し、国土交通省に報告を行うとともに、対応状況について、2018年10月16日に公表いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
また、2018年11月15日には、本件に関する追加の調査、事実確認を行うべき事項があることが判明し、2018年12月19日に、係数補正による性能検査記録データの書き換え行為以外にも、減衰力の中央値を原点へ移動させることで値の調整(原点調整)を行い検査記録として提出していた事実およびその調査結果を公表いたしました。
当社の基本方針としては、大臣認定不適合品および不適切行為の有無が不明な製品についても早急に適合化を進めてまいります。また、大臣認定不適合ではないものの、お客様基準に適合しないものについては、所有者様、居住者様など関係者様の意向を踏まえ、適切な対応を行ってまいります。ご不安・ご心配を払拭することを当社経営の最優先事項とし、所有者様をはじめとする関係者の皆様に丁寧にご説明してまいります。
当社は本件の重大性に鑑み、独立性・専門性を有する外部調査委員会(委員長:森・濱田松本法律事務所弁護士難波孝一元東京高等裁判所部総括判事)を設置し、本件の事実関係の調査、原因分析及び再発防止策の提言等を依頼しており、2019年2月4日には、当該調査委員会から調査結果報告書を受領し、調査結果の報告及び再発防止策の提言を受けております。
当社は、かかる提言等を踏まえ、然るべき対応を実施し、コーポレート・ガバナンスや内部統制システムをより一層強化し、再発防止策の徹底を図るとともに、信頼回復に向けて努めてまいります。
なお、免震・制振用オイルダンパーに係る製品保証引当金につきましては、現時点において信頼性のある見積りが可能な費用についてのみ計上しております。したがって、本件の今後の進捗により、これらに関連して発生する当該交換用製品の交換工事に要する費用及び交換工事の実施に伴って発生する補償等の付随費用が、連結業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
この他、台湾へ輸出した製品のなかに、性能検査記録データの書き換え行為の疑いのある製品がありますが、現在現地当局との調整を進めている段階であり、具体的な対応方針が定まっておりません。したがって、現時点においては、その費用の信頼性のある見積りを行うことが可能な状況に至っていないことから、当第3四半期連結会計期間において、製品保証引当金を計上しておりません。このことから、今後の進捗等によっては、当社の連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
コメントを投稿するにはログインしてください。