井関農機が2月13日に発表した2018年12月期(2018年1~12月)連結業績によると、売上高は、1,559億55百万円(前期比1.5%減)となった。営業利益は、減収による影響を国内直系販売会社の収支構造改善効果やインドネシア事業の収益改善で一部吸収したものの、販管費の増加などにより、31億79百万円(同19.6%減)、経常利益は、持分法投資損益や為替差損益の悪化などにより、26億29百万円(同38.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、10億90百万円(同61.1%減)となった。
国内の農業環境は、担い手への農地集積や畑作・野菜作への作付転換など農業の構造的な変化が進む中、農機市場は弱含み横ばいで推移した。井関農機では、国内は新商品の投入や顧客対応の充実を図るなど、農業構造変化への対応を強化した。新商品を投入した田植機や作業機の増加により農機関連全体では前期比微増となったものの、施設工事の減少などにより、国内売上高は1,228億12百万円(前期比0.3%減)となった。
海外は主力市場である北米は、前期にあった取引条件変更の影響がなくなったことなどから増収、欧州は、新商品投入により現地販売が堅調に推移した一方で、成長エンジンと位置付ける中国・アセアンは、中国での市場冷え込みを受けた田植機半製品の出荷減などから減収、アセアンではタイ市場での競争激化に伴う現地在庫調整によるトラクタ出荷減などで減収となり、海外売上高は、331億43百万円(同6.0%減少)となった。
■商品別の売上状況
<国 内> 整地用機械(トラクタ、乗用管理機など)は274億23百円(前期比2.8%減)、栽培用機械(田植機、野菜移植機)は91億82百万円(同8.2%増)、収穫調製用機械(コンバインなど)は199億62百万円(同2.1%減)、作業機、補修用部品、修理収入は406億26百万円(同2.2%増)、その他農業関連(施設工事など)は256億18百万円(同2.5%減)となった。
<海 外> 整地用機械(トラクタなど)は258億95百万円(前期比2.7%増)、栽培用機械(田植機など)は19億47百万円(同53.4%減)、収穫調製用機械(コンバインなど)は581百万円(同65.8%減)、作業機・補修用部品は27億75百万円(同5.9%増)、その他農業関連は19億44百万円(同26.0%増)となった。
■2019年の見通し
国内農業については、農業の構造変化を受けたニーズの変化を伴いながら農機需要は横ばいで推移すると想定。担い手を中心とした大規模化への対応、人手不足を背景とした省力化ニーズ対応、野菜作・畑作への作付転換に向けた品揃え対応などにより、製品、作業機を中心に増収を見込んでいる。海外は、タイ・中国は現地在庫調整継続の一方で、堅調な北米・欧州市場のほか、アジア周辺国向けの販売拡大などにより増収を見込んでいる。
収益面では、販管費の増加はあるものの、増収による売上総利益の増加に加え、国内販売会社の収支構造改善や海外向け製品の収益改善等で吸収し、増益を見込んでおり、2019年12月期売上高は1,640億円(前期比5.2%増)、営業利益40億円(同25.8%増)、経常利益26億円(同1.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16億円(同46.7%増)を見込んでいる。
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