・エポキシ樹脂用改質剤の生産能力を増強
㈱カネカは2月8日、グローバルに拡大している需要に対し、高砂工業所（所在地：兵庫県高砂市）にエポキシ樹脂用改質剤（製品名：カネエース(R) MX 以下、MX）生産設備の増設を決定したと発表した。生産能力を倍増させ、事業拡大を目指す。投資額は約16億円で、2020年7月の稼動を予定している。
MXは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に、コアシェルゴム（*）を均一に分散させた改質剤。MXを用いることで、エポキシ樹脂が本来持つ耐熱性を損なうことなく、靭性や耐久性を高めることができる。自動車構造接着剤、風力発電の羽用接着剤、複合材料、銅張り積層板などの強化材としてグローバルに販売が拡大しており、既存設備は既にフル稼働の状況にある。今後、自動車、航空機などの軽量化や5G等の高速通信化による銅張り積層板の多層化など世界的に大きな需要の拡大が見込まれる。
同社はMXをグローバルに提供し、モビリティの進化や快適な暮らしに貢献することで、2025年売上高200億円を目指して、事業拡大を図っていく。
* 粒子の中心に「コア」があり、その周囲を「シェル」が取り囲んでいる多層構造になった粒子。コアとシェルの組み合わせで、様々な機能を発現する。