東芝機械が2月7日に発表した2019年3月期第3四半期(2018年4~12月)連結業績によると、受注高は、設備投資への慎重な動きが見られ、1,006億2千8百万円(前年同期比 1.5%減)、売上高は、857億5千8百万円(同0.7%増)となった。
損益面は、一部の大型製品における販売時期の調整、部材価格高騰に伴う原価率の悪化および部材の調達遅れ等による生産効率悪化の継続に加えて、生産体制構築のための費用の増加を受けて、営業利益は22億3千1百万円(同24.3% 減)、経常利益は、前年度にあった受取解約金による営業外収益の反動を受けて、38億3千4百万円(同 25.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、27億4千3百万円(同21.1%減)となった。
国内の設備投資は緩やかながら回復傾向を示しているもの の、海外は対象とする市場や製品により景況感に差異が生じている。東芝機械グループは中期経営計画「TM-PΣ Plan」(Toshiba Machine Profit Sigma Plan)を2016年4月1日からスタートさせ、これまでの「先進と拡張」の考えを継承しつつ、新たに「高収益体質への変革」と「選択と集中」を基本方針とした。今後成長が見込めるグローバル市場において、グループが着実に成長していくための諸施策として、総原価の低減、収益性改善に向けた生産革新活動、グローバルな最適調達網の構築、新市場の開拓、国内外の注力市場に向けた新商品の開発、受注の拡大等に全力をあげ、取り組んでいる。
■セグメント別の概況
<成形機事業>(射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など)
射出成形機の販売は、北米、東南アジアおよびインドの自動車向けを中心に堅調に推移したが、国内および中国向けは軟調に推移した。受注は、国内、中国、東南アジアおよびインドの自動車向けを中心に堅調に推移してきたものの、設備投資に慎重な動きが出てきている。
自動車・二輪車向けを主な供給先とするダイカストマシンの販売は、国内、北米、中国および東南アジア向けが堅調に推移した。受注は、国内を含む全地域向けに堅調に推移した。
押出成形機の販売は、中国の二次電池向けシート・フィルム製造装置の販売時期調整の継続を受けて大きく減少した。受注は、国内の光学向けシート・フィルム製造装置の需要はあったものの、中国の二次電池向けシート・フィルム製造装置の需要調整が継続し、大きく減少した。
この結果、成形機事業全体の受注高は、689億4千7百万円(前年同期比10.0%減)、売上高は、579億8千3百万 円(同2.9%減)、営業利益は、20億6千7百万円(同39.4%減)となった。
<工作機械事業>(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤、精密加工機など)
工作機械の販売は、国内、北米、中国の産業機械向けや国内の航空機向け等を中心に増加したが、部材の調達遅れによる売上高への影響は継続した。受注は、国内、北米の産業機械向けや国内の建設機械向けおよび北米の航空機向け等を中心に堅調に推移した。
精密加工機は、国内、中国を中心としたレンズ・自動車用の光学金型向けおよび韓国の半導体製造装置向けに、販売と受注が堅調に推移した。
この結果、工作機械事業全体の受注高は、231億7千4百万円(前年同期比41.1%増)、売上高は、194億5千2百 万円(同14.9%増)、営業損失は、4億6千7百万円(同:営業損失10億1千9百万円)となった。
<その他の事業>(産業用ロボット、電子制御装置など)
産業用ロボットの販売は、国内の自動車等の自動化関連設備を中心に堅調に推移したが、受注は、中国における電子デバイス・スマートフォン等の組立自動化設備向けの調整局面の影響を受けて、減少した。
この結果、その他の事業全体の受注高は、85億6百万円(前年同期比7.1%減)、売上高は、106億1百万円(同1.3%減)、営業利益は、6億6千9百万円(同29.9%増)となった。
■2019年3月期の見通し
2019年3月期の連結業績は、売上高1,220億円(前期比4.4%増)、営業利益40億円(同13.8%減)、経常利益54億円(同22.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益40億円(同20.3%減)となる見通し。
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