ファナックが1月31日に発表した2019年3月期第3四半期(2018年4~12月)連結業績によると、売上高は4,961 億12百万円(前年同期比7.4%減)、経常利益は1,505 億37 百万円(同18.9%減)、四半期純利益は、厚生年金基金代行返上益を特別利益として計上したこと等により、1,287 億51 百万円(同5.5%減)となった。
部門別の売上高は、FA 部門が1,667 億66 百万円(前年同期比0.1%増)、ロボット部門が1,671 億28 百万円(同0.04%増)、ロボマシン部門が936 億7 百万円(同32.0%減)、サービス部門が686 億11百万円(同6.2%増)となった。
FA部門については、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、国内、欧州、インドおよび米州で高い水準が続いた。しかし、米中貿易摩擦の影響により中国、台湾において期の途中から需要が急激に落ち込んだほか、韓国も内需の減速を受け、低調に推移した。レーザについては、国内、海外において引き続きファイバレーザ発振器の拡販に努めた。これらの結果、FA部門全体の売上高は前年同期に比べ横ばいにとどまった。
ロボット部門については、国内および欧州が堅調に推移したものの、米州の自動車産業において設備投資の谷間が続いているほか中国で特に一般産業向けが弱い動きとなった結果、ロボット部門全体の売上高は前年同期に比べ横ばいとなった。
ロボマシン部門については、ロボドリル(小型切削加工機)は、前年非常に活発だった中国のIT関係の一時的需要がなくなったため、大きく減少した。しかし、IT関係以外の市場では総じて堅調で、特に国内、欧州、インドで販売が伸びた。ロボショット(電動射出成形機)については、前年に引き続き堅調に推移したが、ロボカット(ワイヤカット放電加工機)は前年同期に比べやや減少した。
このようななかファナックグループは、「one FANUC」、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」および「サービスファースト」をスローガンに掲げ、信頼性の高いファナック商品およびそのサービスの提供を一丸となって推進し、顧客の効率的で先進的な生産体制の構築と維持に寄与できるよう努めた。またAI 技術のファナック商品への適用を進め商品化を行うと同時に、IoT への対応として、従来から取り組んでいるLINK i 商品の拡販のほか、新たな取り組みであるFIELDsystem (FANUC Intelligent Edge Link and Drive system)の機能拡張およびアプリケーション(パートナー企業製を含む)の充実を図るとともに、FIELD system の普及に努めた。
■2019年3月期の見通し
IT 関係の一時的需要が見込めない状況が続くことに加え、国家間の貿易摩擦の影響の広がりや為替動向などの様々な不透明な要因から、総じて予断を許さない状況が続くものと想定。2019年3月期の連結業績は、売上高6,269億円(前期比13.7%減)、営業利益1,479億円(同35.6%減)、経常利益1,640億円(同34.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,419億円(同22.0%減)の見通し。
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