住友重機械工業が1月31日に発表した2019年3月期第3四半期(2018年4~12月)連結業績によると、受注高については、産業機械とその他部門を除き増加し、前年同期比11%増の6,755億円、また、売上高についても、船舶とその他部門を除き増加し、前年同期比16%増の6,467億円となった。
損益面では、機械コンポーネントや精密機械、船舶部門で減少したものの、建設機械や環境・プラントなどの部門で増加し、営業利益は前年同期比10%増の525億円、経常利益は前年同期比7%増の503億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比51%増の310億円となった。
4~12月期におけるグループを取り巻く経営環境は、国内においては企業業績の改善に伴い設備投資が堅調に推移し、海外においては、米国は内外需要の回復により製造業の生産回復が持続し、また、中国では直近で景気持ち直しの動きに足踏みが見られたものの概ね工業生産が堅調に推移したことなどから、世界的に機械需要が増加基調の中にあった。一方で、米中貿易摩擦の懸念や朝鮮半島等での地政学上のリスクの継続、一部新興国での為替、金融不安の顕在化など依然として不透明感が残る状態であった。
このような経営環境のもと、住友重機械工業グループは「中期経営計画2019」をスタートさせ、M&Aや設備投資など成長投資の積極的実施、業務品質の更なる改善への取組み、CSRの積極推進などの重点施策を推進してきた。
■部門別の状況
<機械コンポーネント部門>
中小型の減・変速機が好調であったことや、Lafertグループ(Lafert S.p.A.等)を連結子会社化したことから、受注、売上ともに前年同期に比べ増加した。この結果、受注高は1,029億円(前年同期比18%増)、売上高は977億円(前年同期比22%増)、営業利益は80億円となった。
<精密機械部門>
プラスチック加工機械で中国の電気電子関連の高い需要が持続したこと、また、欧州地区の需要が堅調に推移したことなどから、受注、売上ともに前年同期に比べ増加した。この結果、受注高は1,462億円(前年同期比6%増)、売上高は1,333億円(前年同期比9%増)、営業利益は124億円となった。
<建設機械部門>
油圧ショベル事業については、中国他海外向けで需要が伸長したことから、受注、売上ともに前年同期に比べ増加した。建設用クレーン事業については、北米市場が回復基調にあることや国内需要も堅調に推移したことなどから、受注、売上ともに前年同期に比べ増加した。この結果、受注高は2,268億円(前年同期比21%増)、売上高は2,137億円(前年同期比15%増)、営業利益は180億円となった。
<産業機械部門>
受注については、産業用タービンが前年同期に比べ減少したことなどにより前年同期に比べ減少した。一方、売上については、多くの受注残がある運搬機械や鍛造プレスが増加したことなどにより前年同期に比べ増加した。この結果、受注高は595億円(前年同期比11%減)、売上高は667億円(前年同期比15%増)、営業利益は54億円となった。
<船舶部門>
市況低迷は継続しているが、前年同期と同じ2隻の新造船の受注がありました。引渡しについては、前年同期と同じ3隻でした。この結果、受注高は241億円(前年同期比4%増)、売上高は278億円(前年同期比3%減)、営業利益は5億円となった。
<環境・プラント部門>
エネルギープラント事業については、バイオマス発電設備の受注は前年同期に比べ減少したものの前年に買収したSumitomo SHI FW Energie B.V.の寄与もあり、受注、売上ともに前年同期に比べ増加した。また、水処理プラント事業については、受注、売上ともに前年同期に比べ増加した。この結果、受注高は1,104億円(前年同期比7%増)、売上高は1,022億円(前年同期比36%増)、営業利益は66億円となった。
<その他部門>
受注高は56億円(前年同期比4%減)、売上高は52億円(前年同期比5%減)、営業利益は16億円となった。
■2019年3月期の見通し
2019年3月期連結業績見通しについては、売上高8,900億円(前期比12.5%増)、営業利益700億円(同0.1%増)、経常利益410億円(同0.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益410億円(同18.3%増)と10月30日公表を据え置いている。
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