新日鉄住金エンジニアリング、中国の舞鋼中加向けに焼結排ガス用乾式脱硫脱硝設備を受注

 新日鉄住金エンジニアリング(本社:東京都品川区)は1月30日、中国の舞鋼中加鋼鉄有限公司向けに焼結排ガス用の乾式脱硫脱硝設備(DDDS※1)を受注したと発表した。

 中国では昨今、深刻な大気汚染対策の一環として、製鉄プロセス中の排ガス規制が加速度的に強化されている。焼結機についても、2020年以降は「超低排出」と呼ばれる排ガス基準(SOx:35mg/Nm3、NOx:50mg/Nm3、煤塵:10mg/Nm3)を適用することを規制化する方針を打ち出しており、中国の各製鉄所は将来の規制対応に向けて、急速に脱硫脱硝設備の導入に乗り出している。

 今回の舞鋼中加向けDDDSでは、複数の中国企業との競合となったが、以下の点において新日鉄住金エンジニアリングは特に高い技術評価を受けた。

(1)国内10基・海外3基の納入実績、30年以上にわたる安定稼働実績

(2)徹底したホットスポット(※2)・腐食対策

(3)新日鉄住金エンジニアリング独自の活性炭性能評価技術(最適な活性炭の選別・設備仕様の決定)

 また、同プロジェクトの実行管理を、中国国内で50基以上のCDQ納入実績を有する新日鉄住金エンジニアリンググループ「北京中日聯節能環保工程技術有限公司」が行うことにより、コスト面においても現地競合企業に対して競争力を発揮して今回の受注に至った。

 今回のプロジェクトの受注を皮切りに、技術的信頼性の高い新日鉄住金エンジニアリングDDDSを中国内で普及・拡販し、製鉄プロセスにおける環境保全・省エネルギー技術のリーディングカンパニーとして、持続可能な社会の実現に一層貢献し続けていく。

※1:DDDSとは、Dry De-Sox De-NOx Systemの頭文字をとって略したもので、焼結で発生した排煙中に含まれるSOxやNOx、煤塵、ダイオキシン等の大気汚染物質を、活性炭を用いて吸着・除去する設備である。2017年11月に環境に優しい排煙処理技術として、住友重機械工業(株)より事業譲受した。

※2:ホットスポットとは、活性炭の滞留等が原因で局所的に蓄熱し、活性炭の熱暴走が起こる現象。新日鉄住金エンジニアリングはホットスポットの発生傾向を熟知しており、その防止策を徹底的に施した設備を客先に提案している。

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