丸紅、サウジアラビア水電力公社とシュケイク3造水プロジェクトの長期売水契約を締結

 丸紅は1月30日、Acciona Agua S.A.、Abdul Latif Jameel Commercial Development Company Ltd.(以下、ALJ)、およびRawafid Alhadarah Holding Ltd.(以下、Rawafid)と共に参画している、サウジアラビア王国・シュケイク3造水プロジェクトに関わる長期売水契約をサウジアラビア王国水電力公社(Water and Electricity Company L.L.C.、以下、「WEC」)と1月29日に締結したと発表した。

 同プロジェクトは、サウジアラビア王国紅海沿岸のシュケイク地区に、日本企業が参画する逆浸透膜(RO膜)方式(*1)の海水淡水化案件としては世界最大となる造水容量450,000㎥/日(給水人口約2百万人相当)のプラントを建設・保守・運転する事業。今後、丸紅・Acciona・ALJ・Rawafidにより設立される特別目的会社が、プロジェクトファイナンスの組成、およびプラント建設を経て、2021年に予定される運転開始から25年間に亘って造水・売水を行う。

 サウジアラビア王国をはじめとした中東湾岸諸国の水需要は、経済成長や人口増加を背景に急速に増大している。再生可能エネルギー等の発電方式の多様化を背景として、火力発電設備との併設を前提とせず単独での造水が可能なRO膜方式の海水淡水化案件への志向が高まっており(*2)、同プロジェクトはサウジアラビア王国における安定的な上水供給に貢献する。

 丸紅は、アラブ首長国連邦において計4件の発電造水事業を通じ、日量約2,000,000㎥を給水している。また、カタールにおいて下水処理関連設備の建設・保守・運転を行うと共に、チリ・フィリピン・ポルトガルにおいて水道事業に参画し、水事業運営に係る幅広い知見を蓄積してきた。同プロジェクトにおいても、蓄積したノウハウを活かし、水資源の乏しい地域での安定的・安全な水供給サービスを届ける社会的責任を果たしていく。

(*1)塩類等を含む水を、浸透圧現象を利用しRO膜に透過させる造水方式

(*2)従来は、火力発電設備から発生する熱を利用する蒸発法が主流

<サウジアラビア王国・シュケイク3造水プロジェクト概要>

出資比率:丸紅45%、ALJ30%、Rawafid15%、Acciona10%

造水容量:450,000m3/日

運転開始:2021年(予定)

売水先:WEC

売水期間:25年間

<関係各社概要>

・ Acciona

所在地:スペイン

設立:1975年

事業内容:海水淡水化および上下水処理分野のエンジニアリング

・ ALJ

所在地:サウジアラビア王国

設立:2013年

事業内容:自動車関連・インフラ分野投資

・ Rawafid

所在地:サウジアラビア王国

設立:2016年

事業内容:インフラ関連の建設業、石油事業等

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