日本精機、ポーランドと長岡でヘッドアップディスプレイの生産能力を増強

 日本精機(本社:新潟県長岡市)は1月25日、ヘッドアップディスプレイの生産能力を増強するため、ポーランド・ウッチ県に車載用計器・表示器の製造を手掛ける新会社を2019年2月に設立するほか、同社長岡工場でヘッドアップディスプレイの基幹部品である凹面鏡を増産する設備投資を行うことを決定したと発表した。

 ヘッドアップディスプレイは、ドライバーが前方視線のまま、フロントガラスに映し出された車速や警告、ナビゲーション表示などのさまざまな情報を、より早く確実に確認できるシステムで、安心と安全運転をサポートするシステムとして急速に普及している。特に欧州、中国中心に市場が拡大していく見込みで、ヘッドアップディスプレイ市場は2018年の430万台から、2025年には2,500万台の規模になると予測されている。日本精機グループでは、ヘッドアップディスプレイの世界シェア30%を誇り、今後の市場の伸びに合わせ受注増加を見込んでいる。

 ポーランドに新設する新会社名は、「エヌエスポーランド有限責任会社(仮名称)」、資本金7百万ズロチ(約210百万円)、出資比率は日本精機 100%として設立する予定。

 新会社は、ウッチ県クサベルフ市、敷地面積5.39ha(仮)、建物延床面積 約11,000㎡(仮)を予定。ヘッドアップディスプレイ100万台の生産能力を有する工場とし、2020年10月から生産を開始する計画。新会社設立により、欧州大陸顧客向けのビジネスについて物流コスト低減、在庫低減が見込まれる。また、欧州大陸内での設計から製造、販売までの供給体制の確立により、顧客サービスを向上し、欧州におけるヘッドアップディスプレイ事業の競争力を強化する。

 ヘッドアップディスプレイの基幹部品である、凹面鏡の増産設備については、約10億円を投じ、長岡工場を改装、新規凹面鏡生産設備を導入する。日本精機グループでは、ヘッドアップディスプレイの金型製作から成形、蒸着、最終組立までのグループ一貫体制を強みとしている。ヘッドアップディスプレイの生産は日本、英国、米国で行っておりますが、現状、凹面鏡は、日本国内でのみ製造し、グローバル供給している。今後は基幹部品含め生産ロケーションの検討を進め、最適なグローバル生産体制を構築していく。

<エヌエスポーランド有限責任会社(仮名称)>

社名:エヌエスポーランド有限責任会社 (NIPPON SEIKI POLAND Sp. z o.o.)(仮名称)

設立:2019年2月予定

所在地:ポーランド共和国ウッチ県クサベロフ市

資本金:7百万ズロチ(約210百万円)予定

出資比率:日本精機株式会社 100%予定

事業内容:四輪車用計器・表示器の製造

社長:未定

<凹面鏡生産設備投資の概要>

所在地:長岡工場(高見事業所内) 新潟県長岡市東高見2-2-8

総投資額:約10億円

投資内容:建屋工事、生産設備、付帯設備

稼働:2020年4月予定

 ニュースリリース