三井住友建設は1月28日、フィリピン共和国で南北通勤鉄道事業(マロロス-ツツバン)CP2工区を受注し、1月23日にマニラで契約を調印したと発表した。
調印式には、フィリピン運輸省バタン次官、フィリピン国有鉄道マグノ総裁、予算行政管理省調達庁グジャレス常任理事、JICAフィリピン事務所の和田義郎所長、三井住友建設山地斉常務執行役員国際本部副本部長などが出席した。
フィリピンは、約30万km2の国土に約1億100万人(世界第12位)の人口を抱え、平均年齢が約24歳と若く、人口ボーナスも2045年頃まで続く見込みで、急速な経済発展を遂げている。中でもマニラ首都圏は、同国最大の経済集積地であり、人口集中も著しく、これに伴う急激な交通需要増大が慢性的な交通渋滞を深刻化させ、貨物物流等にも悪影響を引き起こしている。
南北通勤鉄道事業(マロロス-ツツバン)CP2工区は、日本の政府開発援助(ODA)により実施されるプロジェクトで、首都圏マニラ市と周辺都市を南北軸によって結ぶ「南北通勤鉄道計画」のうち、北方のブラカン州マロロス市から首都圏マニラ市ツツバンまでの区間を整備するもの。これにより、マニラ首都圏の交通ネットワークの円滑化が見込まれる。
同プロジェクトは、総延長約38kmの高架型鉄道を建設するもので、そのうち三井住友建設受注のCP2工区は、北側起点駅(マロロス駅)を含む3カ所の駅舎と14kmの高架橋建設を担当する。
三井住友建設は、1995年にマニラ駐在員事務所の開設及びスミコンフィリピンズの設立以来、日本の政府開発援助(ODA)事業としてアガスアガス橋の施工実績があり、さらにフィリピン全土で建築・土木工事共に多数の実績を有している。また2016年には、同国に人材開発センター(Human Resource Development Center)を開設し、同社海外拠点で働くローカル社員の育成を行っている。今後も引き続き同国を安定的市場として営業活動を継続し、経済発展に貢献していく。
<工事概要>
工事名称:南北通勤鉄道事業(マロロス-ツツバン)CP2工区
発注者:フィリピン共和国運輸省
設計監理:オリエンタルコンサルタンツグローバル/片平エンジニアリング・インターナショナル/パシフィックコンサルタンツ/日本コンサルタンツ/トーニチコンサルタント 共同企業体(JV)
施工:三井住友建設
請負金額:約539億円
工期:42カ月
施工場所:フィリピン共和国 マニラ首都圏
工事概要:高架橋-延長14km、高架駅舎-3駅