神戸製鋼、過去最大規模のポリプロピレン向け大型混練造粒装置を受注

・海外の大手石化プラントメーカー向け

 ㈱神戸製鋼所は1月23日、海外の大手石油化学プラントメーカー向けに、ポリプロピレン向け大型混練造粒装置LCM350EX(画像は3Dイメージ)を受注したと発表した。受注機は、神戸製鋼のポリプロピレン向け装置としては過去最大となる60t/hの生産量となる。2020年に出荷する予定。

 神戸製鋼は、樹脂用混練造粒装置の市場において、世界シェア37%を有し、これまで34か国に約250台の納入実績があるトップメーカー。プラスチックの世界生産量は今後も増加していくと想定されており、関連した産業機械も引き続き需要増加が見込まれている。今回の受注を契機に、年間300~500億円程度の市場規模のある樹脂用混練造粒装置市場において、更なるシェア拡大を目指す。

 樹脂用混練造粒装置は、石油化学コンビナートなどの樹脂生産ラインの終盤工程に設置され、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種プラスチック材料を米粒大のペレットにする装置であり、24時間連続で稼働するプラントの心臓部とも言える重要機器。

 神戸製鋼の樹脂用混練造粒装置(Long Continuous Mixer 略称:LCM)は、年間8,000時間の連続使用が可能な耐久性と高生産性が最大の特長。また優れた品質を生み出す神戸製鋼所独自のロータ形状やゲート機構による混練度調節機能(※1)といった特長ある技術及びサービス体制などを活かして、特にポリエチレン向けでは、世界のプラントの半分以上のシェアを獲得しているトップメーカーとして、石油化学プラントメーカー様から厚い信頼を得ている。

 ポリエチレン向けでは二軸混練造粒機(※2)としては世界最大のロータ径のLCM560Hで生産量75t/hの大型混練造粒装置の納入実績があった一方で、これまで、ポリプロピレン向けでは中小型の装置の受注が主となっていたが、今回、UNIPOL(R)PPプロセス(※3)を採用しているプラントにおけるこれまでの神戸製鋼所製品の納入実績と優れた混練性能を評価され過去最大生産規模の装置の受注に繋がった。

■樹脂用連続混練造粒装置の市場規模

 主要市場:アメリカ合衆国、中華人民共和国など発注台数:年間20~30台程度(300~500億円)※アフターサービスは除く神戸製鋼累計納入実績:約250台(2018年12月時点)

※1 ゲート機構による混練度調節機能:神戸製鋼所のLCMでは混練機の中間に縦方向に動くバルブを設け、樹脂の充満率を調整することで、混練度を幅広く調整することを可能としている

※2 二軸混練造粒機:ポリエチレン、ポリプロビレンの混練造粒用途で現在主流となっている2つのロータを有する混練機。

※3 UNIPOL(R)PPプロセス:W.R.Grace and Companyをプロセスライセンサーとするポリプロピレンの生産プロセス。

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