・日本の技術を活用し、マニラ首都圏の交通渋滞の緩和、洪水被害の軽減に貢献
国際協力機構(JICA)は1月21日、マニラにおいて、フィリピン政府との間で、2事業、 総額2,051億400万円を限度とする円借款貸付契約(Loan Agreement: L/A)に調印したと発表した。
■今回調印した円借款契約が対象とする事業は以下の2件
(1) 南北通勤鉄道延伸事業事業(第一期)(借款金額:1,671億9,900万円)
(2) パッシグ・マリキナ川河川改修事業(フェーズIV)(借款金額:379億500万円)
■各事業の詳細は以下の通り
(1) 南北通勤鉄道延伸事業(第一期)
North-South Commuter Railway Extension Project ( I )
(a) 事業の目的及び概要
同事業は、2015年11月に円借款貸付契約を調印した南北通勤鉄道(マロロスーツツバン)を、南方はラグナ州カランバまで、北方はパンパンガ州クラーク国際空港までそれぞれ延伸することにより、マニラ首都圏及び近郊における都市交通の連結性強化や輸送機能の拡充を図り、マニラ首都圏の経済圏の拡大、交通渋滞の緩和、投資環境の改善、大気汚染や気候変動の影響の緩和に資することを目的としている。
同事業は、アジア開発銀行(ADB)との協調融資により実施され、円借款の貸付資金は車両及び鉄道システムの調達とコンサルティング・サービスに充当され、アジア開発銀行(ADB)の貸付資金は土木工事に充当される。
なお、同事業に対する円借款には本邦技術活用条件(STEP)が適用され、同事業で整備される車両及び鉄道システムには、日本の高度な技術(安全性・定時性の高い信号システム、軽量で省エネルギー効果の高い車両等)が活用される予定。
(b) 事業実施機関
運輸省(Department of Transportation)
住所:S. Osmena, Clark Freeport, Angeles, Pampanga, Philippines
TEL:+ 63-2-790-8400
(c) 今後の事業実施スケジュール(予定)
- 事業の完成予定時期: 2025年9月(供用開始時をもって事業完成)
- コンサルティング・サービス(施工監理等)に係る招請状送付予定時期:2019年1月
- 本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:一部区間の土木工事パッケージ(Civil Works Package for Partial Section)
予定時期:2019年1月
(2) パッシグ・マリキナ川河川改修事業(フェーズIV)
Pasig-Marikina River Channel Improvement Project (Phase IV)
(a) 事業の目的及び概要
同事業は、マニラ首都圏において、パッシグ・マリキナ川の河川改修及び可動堰等の建設、並びに洪水に対する非構造物対策を実施することにより、マニラ首都圏中心部の洪水被害の軽減を図り、同地域の脆弱性の克服及び生活・生産基盤の安定に寄与するもの。
なお、同事業に対する円借款には本邦技術活用条件(STEP)(注)が適用され、同事業における護岸整備には日本の高度な技術(ハット型鋼矢板+H型鋼工法、ウォータージェット併用バイブロハンマ工法等)が活用される予定。
(b) 事業実施機関
公共事業道路省(Department of Public Works and Highways)
住所:Bonifacio Drive, Port Area, Manila
TEL:+ 63-2-304-3000
(c) 今後の事業実施スケジュール(予定)
- 事業の完成予定時期: 2025年12月(供用開始時をもって事業完成)
- コンサルティング・サービス(施工監理等)に係る招請状送付予定時期:2019年5月
- 本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
土木パッケージ(Civil Works Package)
予定時期:2020年6月