リコー、約30億円投じて欧州の感熱紙生産ラインを増強

・需要増加に対応し、サーマル事業強化を図る

  ㈱リコーは1月22日、欧州市場向け感熱紙の欧州サーマル事業強化を図るため、約30億円を投資し、フランスの生産拠点「Ricoh Industrie France S.A.S.」のコーター(塗布工程を行う設備)の生産能力を2倍に増強し、2020年7月から増産を開始すると発表した。

 リコーのサーマル事業は、感熱紙や熱転写リボンを主力商品としてグローバルに事業を展開している。感熱紙は、バーコードなどを印字して食品POSや工程管理、配送ラベルなどで活用されている。リコーは、高速印字が可能な発色特性、バーコード、小フォントサイズに印刷可能な高精細性、印字画像が消えにくい保存性などに優れた独自の技術を持っており、感熱紙市場で高いシェアを獲得している。

 今回の生産能力強化は、欧州市場の拡大に対応したもの。2014年にEUの食品ラベル表示法(EU1169/2011)が改正されて栄養表示等が義務化されたことでラベルへの情報記載量が増加したことやプレパック品の増加により、需要が拡大している。今後も東欧各国の経済成長に伴う市場拡大に加え、Eコマースが年率10%で伸長しており、物流配送ラベル向けの需要も拡大していくと予測している。

 リコーは、これまでも2013年にアメリカで生産ライン増強と拠点を集約した生産体制を構築してきた。また、2018年に中国市場でも大型投資を実施し、成長が見込まれる物流Eコマース市場向けへの商品供給体制を強化してきた。今回の欧州での生産能力増強により、グローバルで供給量を確保し、サーマル事業を強化していく。

<増強生産の概要>

所在地:Ricoh Industrie France S.A.S.144 Route de Rouffach 68920, Wettolsheim, France

投資額:約30億円

生産能力:増産後、約12億m²/年(増産前、約6億m²/年)

生産開始:2020年7月

 ニュースリリース