東芝グループは、再生可能エネルギー発電事業の強化を目的として、福岡県大牟田市でバイオマス発電所の新規建設を行うことを既に発表しているが、1月21日、東芝のグループ会社で発電事業の運営を行うシグマパワー有明(SPAC)が大牟田地域の産業発展や地域経済の振興に貢献し、SPACおよび大牟田市の相互の発展を図るため、企業立地協定書を締結したと発表した。東芝グループは、今回の企業立地協定書締結を機に、地元自治体との連携を密にしながら、バイオマス発電所の建設を加速していく。
■バイオマス発電所建設の背景
昨年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」では、2030年における再生可能エネルギー比率を22%~24%に拡大し、主力電源化に向けた取組を早期に進めていくことになる。また、需要家による環境意識の高まりなどにより、国内における再生可能エネルギーへのニーズが高まっている。
そのような中、昨年公表した、東芝グループの全社変革計画「東芝Nextプラン」の中で、「再生可能エネルギー発電事業」を重点投資分野の一つと位置付けている。この一環として、東芝は東芝傘下で発電事業の運営を行うSPACを通じ、新たにバイオマス発電所を建設することを昨年11月に決定した。SPACは、既に福岡県大牟田市でバイオマス発電所の三川発電所を運営しているが、この隣接地に「大牟田第一・第二発電所」を建設することで事業を拡大する。
三川発電所は、2005年に東芝グループ会社の拠点として石炭による発電事業を開始した。2008年からは木質バイオマスと石炭の混焼による発電を開始し、世界的な地球温暖化対策の流れを受け、2017年にリニューアルを行い、現在はバイオマス専焼の発電所として運営を行っている。
東芝は、既に発電事業で15年以上の経験を有している。現在、東芝グループの発電事業において、現在太陽光6か所、風力3か所、水力1か所、バイオマス1か所の合計11カ所、合計約8万kW分の出力を有している発電所を運営しており、豊富な運営経験を活かし、新しい発電所の運営に取り組む。
<今回建設するバイオマス発電所の概要>
名称:シグマパワー有明 大牟田第一・第二発電所
所在地:福岡県大牟田市新港町および西港町
発電種別:バイオマス発電所
出力:2.2万kw×2
着工予定:2019年秋
稼働予定:2022年春
雇用計画:約20名